アズビルは9月16日、積水化学工業の国内生産拠点に「AIベースCBMプラットフォーム ビッグアイエムエム」を納入したことを発表した。本製品は、AIと計測制御技術を融合させ、CBMをエンタープライズレベル(全社規模)で実現するものである。積水化学工業では、生産ロスの削減や設備の突発故障のゼロ化、保全業務の効率化などを目的に本プラットフォームを導入し、稼働を開始している。同製品による予兆保全の強化を通じ、生産現場の効率化や工場運営の持続可能性向上に寄与している。
積水化学工業では、設備故障によるロスと機会損失の最小化および保全生産性の向上を目指し、現場を支える保全技術力の向上や、保全のスマート化を進めている。その中で、従来のTBMでは予防できない設備の突発故障への対応や、保全担当者の世代交代により生じている技量差の解消が課題となっていた。こうした背景の下、同社が「自律型・設備管理」のコンセプトで開発したBiG EYES MMの導入を決定した。
BiG EYES MMは、振動計をはじめとした機器管理用のデータに加え、生産ラインのセンサデータ、PLCやDCSなどの制御システム内データなど多様なデータを活用し、AIがリアルタイムに設備状態を判定する「予兆保全」をエンタープライズレベルで適用できるCBMプラットフォームで、設備の突発故障のゼロ化と保全コストの最小化を目指すものである。将来的には、設備の寿命予測や保全計画の自動スケジューリング機能を付加し、設備管理分野における人手不足や高齢化への対応、従事する人々のWellーbeing向上により、サステナブルな工場運営に貢献する。
今回の導入では、重要度の高い回転機器を中心に予兆保全を実現するAI監視モデルを構築した。積水化学工業では、今後、効果検証の上、複数の生産拠点への展開や、設備の劣化状態の可視化・余寿命予測など、さらなる高度化を検討している。同社は、BiG EYES MMの機能向上を通して、積水化学工業と共にCBM化の実現を目指していく。
同社グループは、「人を中心としたオートメーション」の理念の下、他社との共創を通じて社会課題の解決や持続可能な成長を目指し、さらなる価値創造に取り組んでいくとしている。
