BASF、PCF算出法が採用 KHUAとHehuiに

2025年09月11日

ゴムタイムス社

 BASFは9月9日、粉体塗料用のポリエステル樹脂を専門とするグローバル製造業者であるZhejiang Guanghua Technology(浙江光華科技)と、ポリウレタン触媒企業であるChongqing Hehui Pharmaceutical(重慶和輝製薬)が、同社の製品カーボンフットプリント(PCF)算出法を採用したことを発表した。

 両社は、「Together for Sustainability」が開発し、同社が支援する「化学産業向け製品カーボンフットプリントガイドライン」を使用し、温室効果ガス会計システム、ISO 14067、GB/T 24067規格に準拠した、同社のPCF算出法を導入している。

 BASFは、KHUAの粉体塗料樹脂製造向けにネオペンチルグリコール(NPG)を供給している。 また、Hehuiは、ポリウレタン触媒であるペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)に用いるジエチレントリアミン(DETA)をBASFから調達している。

 NPGは主に粉体塗料樹脂の製造に使用される中間体であり、とりわけ、家電製品の塗料や建設業界において高い実績がある。粉体塗料は揮発性有機化合物(VOC)の含有量が少なく、液体塗料と比較してVOCの放出量を最大50%削減できるため、VOC排出基準遵守が可能となる。NPGのその他の用途としては、潤滑油、可塑剤、医薬品の製造などが挙げられる。BASFは世界有数のNPGメーカーであり、中国の南京および吉林、ドイツのルートヴィッヒスハーフェン、米国のテキサス州フリーポートに生産工場を有している。また、中国・湛江のフェアブント拠点(統合生産拠点)に新たなNPG生産工場を建設しており、2025年第4四半期からの稼働を予定している。

 DETAは幅広い用途で利用されており、主に湿潤紙力増強剤、ポリウレタン触媒、硬化剤として使用される。また、PMDETAの製造にも用いられる。PMDETAはイソシアネートと水、ポリオールとの反応を促進し、CO2フォームを生成し、断熱性と弾性を高める発泡体構造を形成する。PMDETAは、エポキシ樹脂系においてアミン系硬化剤と組み合わせることで、硬化速度を調整し熱安定性を向上させることも可能となる。また、DETAはパルプ・製紙用途において湿潤強度樹脂の構成要素となる。この樹脂は、DETAをジカルボン酸と反応させてポリアミノアミドを生成し、その後エピクロロヒドリンで架橋して製造される。その他の用途としては、アスファルト添加剤、腐食防止剤、潤滑油および燃料添加剤、キレート剤、テキスタイル製品、鉱物処理の補助剤などが挙げられる。BASFは世界有数のDETAメーカーであり、中国の南京およびベルギー のアントワープに生産工場を有している。

BASFアジア太平洋中間体事業部シニア・バイスプレジデントのマイケル・ベッカー氏(右)が、KHUA会長のジェフリー・サン氏(左)にPCFステートメントを贈呈する様子

BASFアジア太平洋中間体事業部シニア・バイスプレジデントのマイケル・ベッカー氏(右)が、KHUA会長のジェフリー・サン氏(左)にPCFステートメントを贈呈する様子

Hehuiのゼネラルマネージャーであるチェン・リウ氏(左から4番目)と、BASFインターミディエーツ中国ディレクターのカレン・チャオ氏(中央)が、署名式に出席

Hehuiのゼネラルマネージャーであるチェン・リウ氏(左から4番目)と、BASFインターミディエーツ中国ディレクターのカレン・チャオ氏(中央)が、署名式に出席

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