旭化成エレクトロニクスは9月4日、アンテナ一体型ミリ波レーダーモジュール「AiM(AntennaーinーModule)」と、新たに開発した小型評価キットを組み合わせたセンシングソリューションの提供を開始したことを発表した。
本ソリューションは、見守りをはじめとする人の状態検知機能の実装を検討している機器メーカーに向けて、呼吸・位置・姿勢などをセンシングできる環境を提供する。カメラを使用しないため、プライバシーに配慮したセンシングが可能となる。また、アンテナ設計やレーダー信号処理の専門知識がなくても、PoC(概念実証)を短期間で立ち上げられる構成となっており、スムーズな検証・導入を支援する。
これにより、家電、住宅設備、IoTデバイスなど、機器メーカーの多様な製品開発において、センシング機能の早期実装と差別化に貢献する。
同社が提供を開始したアンテナ一体型ミリ波レーダーモジュール(AK5816AIM/AK5818AIM)は、ミリ波レーダーIC(AK5816/AK5818)とアンテナを23mm×23mmの基板に一体化したコンパクトなモジュールである。
多チャンネル測定と高角度分解能により、人物の位置や動き、転倒などを高精度に検知する3Dセンシングを実現する。従来は専門的な設計が必要だったアンテナ部分をモジュール内に統合することで、開発工数の削減とスピーディな導入を可能にした。
また、AiMの性能をすぐに評価できるよう、「AIMEZーV」と「LUMI」の2種類の評価キットを用意した。どちらのモデルも、カメラを使用せずに、呼吸・位置・姿勢・転倒といったセンシング機能を実現できる。
AIMEZーVは、USB、イーサネット、Wi-fi、Bluetooth Low Energyなどの多彩なインターフェースを搭載し、PoCの迅速な立ち上げや実装検証に適したモデルである。オンラインでの購入にも対応しており、スムーズな導入をサポートする。限られた開発リソースでも、短期間での評価・検証が可能となる。
LUMIは、高性能SoCを搭載し、大容量データ処理や機械学習を活用した高度なアルゴリズム開発にも対応している。より高度なセンシングニーズに応えるモデルとして、さまざまな開発スタイルに柔軟に対応していく。
これらの評価キットでは、PoC立ち上げやアルゴリズム評価を迅速に行えるよう、基本ソフトウェア環境を整備している。さらに、独自アルゴリズムの組み込みにも対応しており、製品開発の初期段階からPoCの立ち上げをスムーズに行うことが可能となる。



