産業用ソフトウェアの世界的なリーダーとしてDXおよび持続可能性を推進する英AVEVAの日本法人であるAVEVAは9月4日、三菱ケミカルグループが、AVEVA Asset Information Management(AIM)を茨城事業所に導入し、化学プラントのデジタルトランスフォーメーション(DX)を強化していることを発表した。
同ソリューションは、散在する多様な情報を一元化し、アクセスを提供することで、ユーザーによるデータに基づく効率化と迅速な意思決定を支援し、同社の持続的な成長を支える。
導入による主な効果は、作業効率の向上、属人性の排除、論理的思考力の深化・展開となる。
プラント設備の運転・設備管理情報を検索する時間が大幅に短縮した。従来、異なるシステムから収集していた図面や過去履歴などの関連情報がAIM上から一括で入手可能となり、設備管理計画の立案が効率化され、計画の精度も向上した。また、トラブル発生時には関連情報へ迅速にアクセスできるため、不具合への初動が早くなっている。
経験の浅い若手社員でも、ベテランと同様に必要な情報へ容易にアクセスできるようになった。例えば、広大な工場内でも機器のタグ番号から配置図連携ですぐに場所を特定したり、製造部門から設備管理部門への補修依頼時に、場所のアイソメ図と必要な情報を正確に共有したりすることが可能となり、部門間の情報共有が向上している。
必要な情報が網羅的に確認できるようになったことで、抜け漏れの少ない検討が可能になった。設備の状態をリアルタイムで監視し、異常があれば即座にAIMから関連情報を収集して検討に入れるようになったことで、より論理的な思考が促進され、判断の質が向上している。
今後、労働人口の減少や転職などで人の流動性がさらに高まることが予測されることを受け、三菱ケミカルは今後、社内の暗黙知の情報やドキュメントを誰でもすぐに扱えることができ、従業員が高いパフォーマンスを発揮できるような環境づくりを目指す。また、今回構築したデジタルプラットフォームを基盤に、生成AIを活用したオペレーションガイドの構築などを検討している。そして、意思決定のためのさらなる論理的思考や、すでに導入のAVEVA PI SystemのPI Event FrameworkやPI Asset Frameworkとの情報連携によるさらなる情報活用を同社と進めていく。
2025年09月05日
