ブリヂストンが再生スチールを初採用 ソーラーカーレースにタイヤ提供

2025年09月04日

ゴムタイムス社

 ブリヂストンは9月2日、2025年8月24日~31日にオーストラリアで開催された、同社がタイトルスポンサーを務める世界最高峰のソーラーカーレース「2025 Bridgestone World Solar Challenge」において、パートナーとの共創により開発・生産された再生カーボンブラックおよび再生スチールを同社として初めて採用し、再生資源・再生可能資源比率を65%以上に向上した「ENLITEN(R)」技術搭載タイヤを提供したと発表した。
 加えて、大会での使用タイヤ本数の低減や低炭素輸送、使用後のリサイクルに至るまで、BWSC用タイヤのバリューチェーン全体でサステナブルな取り組みを進化させた。さらに、同社の提供する「ENLITEN」技術搭載タイヤを装着したチームが、チャレンジャークラス、クルーザークラスの両部門で優勝を果たした。
 新たな再生資源1つ目は、再生カーボンブラックとなる。ENEOSとの共創により、使用済タイヤの精密熱分解によって再生カーボンブラックなどを回収する技術開発を進め、東京都小平市のBridgestone Innovation Parkの実証機で得られた再生カーボンブラックを、同社として初めてBWSC用タイヤに採用した。
 新たな再生資源の2つ目は、再生スチールとなる。ブリヂストンタイヤリサイクルセンター大阪で回収した使用済タイヤから、山陽特殊製鋼の電炉を用いて再生スチールを製造し、日本製鉄の設備にて圧延・熱処理したビードワイヤー(タイヤ補強材)を、同社として初めてBWSC用タイヤに採用した。
 商品設計基盤技術「ENLITEN」により、環境負荷低減を追求し、低転がり抵抗、軽量化、耐摩耗性など、ソーラーカータイヤに求められる性能にエッジを効かせてカスタマイズしたタイヤを開発。BWSCの過酷な走行条件下でもソーラーカーの性能を最大限に引き出し、約3000kmにわたる安心・安全な長距離走行に貢献した。また、オランダのテイジン・アラミドの新素材であるサーキュラー原料を使用したアラミド「トワロンネクスト」を採用するなど、サステナビリティへ繋がる環境性能を進化させた。
 BWSC用タイヤの輸送に、DHL社のGoGreen Plusソリューションを活用。持続可能な船舶燃料の使用により、燃料の製造、輸送、貯蔵、船上使用におけるライフサイクル全体(WellーtoーWake)でのCO2排出量を最大85%削減し、低炭素な輸送を実現した。
 「ENLITEN」技術の進化により耐摩耗性能を向上させ、タイヤ1本あたりの走行可能距離を伸ばすことで、現地でのタイヤサポート本数(1チームあたり)を、前回の24本から16本に削減した。
 オーストラリアのRubber Gem社との共創により、現地にて使用済タイヤを酪農用ゴムマットに再利用する。

ブルネル・ソーラーチーム

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