クラレは9月2日、同社のシンガポール現地法人、Kuraray Asia Pacificが、アジア市場を対象とする技術支援拠点「Kuraray Asia Pacific テクニカルセンター」をシンガポール・サイエンスパーク内に開設したことを発表した。
同センターは、アジア市場で需要が拡大する、ポバール樹脂、EVOH樹脂〈エバール〉、活性炭を対象とした技術支援拠点である。材料の評価・解析・応用技術の検討に必要な機器を備えており、迅速かつ専門的に地域顧客のニーズに応じたソリューションを提供する。さらに、製品の実演や顧客との共同開発を通じて、新たな価値を創出するオープンイノベーションの場としても機能する。
また、先進的な研究開発施設が集まるサイエンスパークという立地を生かし、多くの人・企業とコラボレーションすることで市場開発の加速とグローバル人材の獲得を図る。
9月1日には同センターで開所式を開催し、シンガポール経済開発庁(EDB)Executive Vice PresidentのLim WeyーLen氏より、「クラレをはじめとする企業が、シンガポールのイノベーション・エコシステム、人材、地理的優位性を生かし、持続可能なソリューションを拡大していくことを歓迎する」との声が寄せられた。また、同社取締役常務執行役員・ビニルアセテート樹脂カンパニー長の渡邊知行氏は、「お客様との共創展開(coーcreation)の場を提供し、域内市場の加速的発展につなげたい」と意気込みを述べた。
同社グループは、本センターを通じて、顧客の課題解決と新市場・新用途の開拓を推進し、アジア市場でのさらなる事業拡大とプレゼンスの向上を目指していくとしている。



