旭化成、約160億円を投資 感光性絶縁材料「パイメル」を能増

2025年08月25日

ゴムタイムス社

 旭化成は8月22日、感光性絶縁材料「パイメル」の将来的な需要拡大への対応を目的として、生産能力増強の設備投資を決定したと発表した。
 近年、先端半導体の高度化・高集積化に伴い、半導体保護膜・層間絶縁膜市場は持続的な成長を遂げている。こうした市場において同社の「パイメル」は、長年にわたり培ってきた技術開発力と品質保証体制、そして顧客ニーズに応じたソリューション提供力を強みに、先端半導体向け市場において、高い競争力を有している。
 中でも急速な技術革新が進む生成AIなどの先端半導体向け層間絶縁膜市場は、足元では年平均8%で成長しており2030年ごろまではその勢いが続くと見ている。これらの需要に対応する体制を整えるため、2024年12月には、静岡県富士市にて「パイメル」の新工場を竣工し、供給能力の強化を図ってきた。今後もますます増大する需要に応えるため、さらなる生産能力増強を目的とし、同計画を決定した。
 立地は富士市(既存工場敷地内)、生産品目は感光性絶縁材料「パイメル」、投資金額は約160億円、生産量は詳細非開示(2024年度比で2030年時点は2倍となる予定)、稼働時期は2028年度上期商業運転開始予定となる。
 同社グループは中期経営計画において、主要事業を「重点成長」「戦略的育成」「収益基盤維持・拡大」「収益改善・事業モデル転換」という位置づけにそれぞれ分類し、今後の資源配分方針を明確にしている。
 感光性絶縁材料(感光性ポリイミド)製品「パイメル」が含まれる「エレクトロニクス」事業は、「重点成長」と位置づけられており、利益創出のため積極的に投資を行っていく方針となる。このように、投資対象を絞り込み、厳選された事業に対して集中投資を行うことで、同社は持続的な利益成長と企業価値の向上を目指している。
 常務執行役員兼マテリアル領域エレクトロニクス材料事業担当、植竹伸子氏は、「当社の「パイメル」は、生成AIをはじめとする先端半導体分野の高度化・高集積化に欠かせない材料として、高い技術力と品質によりグローバルで高い信頼を獲得している。その需要は今後も加速度的に増大すると予想されており、今回の生産能力増強は、そうした将来の需要拡大に迅速に対応するもの。本投資により旭化成の利益創出を牽引するとともに、先端半導体分野を支えるリーディングカンパニーとして、高品質な製品の安定供給に全力で取り組んでいく」とコメントしている。

パイメル
パイメル工場外観静岡県

パイメル

パイメル

パイメル工場外観

パイメル工場外観

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