マテリアルソリューションは減収減益 カネカの4~6月期

2025年08月19日

ゴムタイムス社

 カネカの26年3月期第1四半期決算は、売上高は1986億8200万円で前年同期比0・2%増、営業利益は81億6100万円で同20・6%減、経常利益は60億3800万円で同40・5%減、四半期純利益は42億6100万円で同39・4%減となった。

 マテリアルソリューションユニットの売上高は823億7400万円で同4・3%減、営業利益は62億6500万円で同25・2%減となった。
 Vinylsは塩ビ・か性ソーダともにアジア市況の低迷が続き、減益となった。
 MODはアジアの販売は堅調に推移したが、欧米の住宅・建築市場の需要が一時的に調整局面となり、収益は前年を下回った。MXは販売を着実に拡大させている。
 MSは、米国・欧州が同じく一時的な調整局面となった。欧州顧客は一部で米国向け輸出の様子見も生じた。Green Planetは、大型用途で顧客での品質評価が加速している。下期以降は販売が大幅に増加する見通しとなる。世界の大手ブランドホルダーのGreen Planetの関心が高まっている。

 クオリティーオブライフソリューションユニットの売上高は484億6600万円で同7・6%増、営業利益は52億800万円で同22・4%増となった。
 Foamは、自動車分野は前年を上回る販売となったが、農水産・建築分野での需要低迷の影響を受けた。価格改定・コストダウンなどスプレッドの改善が進んでいる。
 E&Iは、中国でのスマートフォンの需要が好調。ポリイミドフィルムが販売増となった。大型液晶TVの生産調整に伴い、アクリル樹脂の販売が減少した。PVは国内戸建て住宅向け高効率太陽電池の販売が堅調。次世代太陽電池(ペロブスカイト)については、タンデム型での技術開発を先行して進めている。
 Fiberは、頭髪製品の販売が好調。大幅な増益となった。難燃ファブリック分野の需要も拡大。頭髪製品の販売地域が拡大し、新製品による需要の創出が進んでいる。

 ヘルスケアソリューションユニットの売上高は182億7300万円で同0・5%減、営業利益は31億3100万円で同4・7%増となった。
 Medicalは、血液浄化器・カテーテルともに販売が拡大。大幅な増益となった。カテーテル新製品の拡販が、収益拡大を牽引している。血液浄化器の北海道新プラント(苫東工場)は順調に戦力化。海外向けの拡販に寄与している。
 Pharmaは、前年4Qでの販売集中の影響もあり、当1Qは販売減となった。開発・製造基盤の強化により、低分子・バイオ医薬品の新規案件の獲得が進んでいる。

 26年3月期通期の連結業績予想は、売上高が8200億円で前期比1・6%増、営業利益が420億円で同4・9%増、経常利益が380億円で同15・6%増、純利益が330億円で同30・4%増を見込んでいる。

 

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