クレハの26年3月期第1四半期決算は、売上収益が365億4000万円で前年同期比12・9%減、営業利益は23億2900万円で同27・2%減、税引前四半期利益は28億3200万円で同24・7%減、四半期利益は20億9900万円で同28・1%減となった。
セグメント別に見ると、機能製品事業の売上収益は155億2900万円で同8・9%増、営業利益は1億300万円で同85・1%減となった。リチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂の売上げは減少したものの、シェールオイル・ガス掘削用途のPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品およびPPS樹脂の売上げが増加したことから、この分野での売上げは増加したが、前期はPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品の棚卸資産評価減の戻入益があったことにより、営業利益は減少した。炭素製品分野では、高温炉用断熱材の売上げが増加したことから、この分野での売上げ、営業利益はともに増加した。
化学製品事業の売上収益は58億1600万円で同30・8%減、営業損失は4億100万円(前年同期は3億7000万円の利益)となった。農業・園芸用殺菌剤および慢性腎不全用剤「クレメジン」の売上げが減少したことから、この分野での売上げ、営業利益はともに減少した。工業薬品分野では、有機薬品類の売上げが減少したことから、この分野での売上げは減少したが、原材料価格の下落により営業利益は増加した。
樹脂製品事業の売上収益は87億1900万円で同32・7%減、営業利益は15億9800万円で同7・7%減となった。コンシューマー・グッズ分野では、家庭用ラップ「NEWクレラップ」の売上げが減少したことから、この分野での売上げは減少したが、フッ化ビニリデン釣糸「シーガー」の海外向けの販売が好調であったことにより利益率が改善し、営業利益は増加した。業務用食品包装材分野では、熱収縮多層フィルムの販売を前年上期で終了したことにより、売上げ、営業利益はともに減少した。
26年3月期通期連結業績予想は、直近に公表されている業績予想からの修正は無く、売上収益が1650億円で前期比1・8%増、営業利益は140億円で同48・5%増、税引前利益は140億円で同37・0%増、当期利益は100億円で同28・2%増を見込んでいる。
