イソプレンは増収損失幅も縮小 クラレの1~6月期

2025年08月12日

ゴムタイムス社

 クラレの25年12月期第2四半期連結決算は、売上高が3999億5800万円で前年同期比2・7%減、営業利益は262億6100万円で同42・2%減、経常利益は212億8400万円で同51・7%減、四半期純利益は140億3900万円で同53・9%減となった。
 セグメントのうち、イソプレンの売上高は399億4400万円で同6・4%増、営業損失は13億1100万円(前年同期は40億2500万円の損失)となった。イソプレンケミカル・エラストマーは、欧米を中心に需要が堅調に推移し、販売数量の増加及び販売構成の改善が進んだ。耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」は、電気・電子用途の需要回復が力強く、また自動車用途での拡販も進み、販売数量が増加した。
 ビニルアセテートは、売上高が2028億8500万円で同2・9%減、営業利益は298億7100万円で同32・0%減。ポバール樹脂は、販売数量が前年の欧州向け物流の混乱に起因した特需が一巡したことに加えて、欧米中心に需要が低調となったことから減少した。また在庫評価差額や原燃料価格上昇によるマイナス影響があった。
 光学用ポバールフィルムは、中国の家電買替支援策などを背景に販売は堅調に推移したものの、在庫評価差額によるマイナス影響があった。
 高機能中間膜は、特殊アイオノマーシート「セントリグラス」は米州を中心に販売が順調に推移したが、PVBフィルムはアジアを中心に競争環境の厳しさが増しており、建築用途及び自動車用途ともに販売数量が減少した。
 水溶性ポバールフィルムは、個包装洗剤の需要が回復しつつあり、販売数量は増加した。
 EVOH樹脂「エバール」は、食品包装用途は想定したほど販売数量は増えなかったものの、引き続き欧米中心に順調に推移し、また自動車用途も堅調だったことから販売数量は増加した。一方で、利益面では在庫評価差額や原燃料価格の上昇等によるマイナス影響があった。
 25年12月期通期業績予想は直近に公表されている業績予想を修正した。それによると、売上高は8400億円(前回発表8600億円、増減率2・3%減)、営業利益は750億円(同900億円、同16・7%減)、経常利益は690億円(同850億円、同18・8%減)、当期純利益は330億円(同450億円、同26・7%減)を見込んでいる。

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