高機能プラ事業は減収増益 住友ベークライトの4~6月期

2025年08月12日

ゴムタイムス社

 住友ベークライトの26年3月期第1四半期決算は、売上収益が776億6800万円で前年同期比1・3%増、事業利益は90億900万円で同13・9%増、営業利益は85億9600万円で同5・2%増、親会社の所有者に帰属する四半期純利益は74億4800万円で同6・4%増となった。

 セグメント別では、高機能プラスチックの売上収益は260億2900万円で同5・5%減、事業利益は17億3800万円で同1・5%増。工業用樹脂では国内での半導体用途の販売が伸長したものの、北米拠点での不採算品からの撤退、規模縮小があり売上収益は減少した。成形材料は米国の関税政策の影響などから北米自動車市場での需要低迷が続いており、売上収益は減少した。積層板は、車載・エアコン用途の需要低迷が続いており売上収益は減少した。航空機部品は、昨年半ばの米国顧客でのストライキによる需要減から数量は回復傾向にあるが売上収益は減少した。

 半導体関連材料の売上収益が224億2800万円で同8・4%増、事業利益は48億1800万円で同5・6%増。半導体封止用エポキシ樹脂成形材料は、中国国内の旺盛な半導体需要が継続し、加えてAI関連用途の需要が拡大したことにより、売上収益は増加した。半導体用感光性材料は、メモリ市場の調整による影響で売上収益は減少した。半導体用ボンディングペーストは、東南アジアの情報通信機器、車載半導体向けの販売が低調だった一方、中国内需向けでは、好調な需要に加えて新規拡販が進んだことにより、売上収益は増加した。半導体基板材料「LαZ」シリーズはモバイル機器向けの販売伸長に加え、AIサーバー向けのパワーデバイスへの採用拡大により売上収益は増加した。

 クオリティオブライフ関連製品の売上収益が270億500万円で同2・4%増、事業利益が36億8900万円で同39・3%増。フィルム・シートは、半導体生産用途ではカバーテープのシェアが拡大したもののダイシングフィルムの在庫調整により横ばいだったが、医薬品包装用途ではジェネリック医薬品の新規販売開始と既存品の在庫積み増しがあり、食品包装用途ではカット野菜やポーションの販売が堅調に推移したため、売上収益は増加した。産業機能性材料は、車載向けの光学材料が大きく伸長し、建材、店装材向けも堅調に推移した。一部の米国向け製品において関税影響などにより需要が低迷したため、売上収益は減少した。防水シート関連は、住宅着工戸数の減少に伴い量産住宅向けの需要が落ち込んだが、資材価格の高騰や施工経費の上昇分を価格転嫁したことや省エネ住宅(ZEH)対応部材の販売拡大などにより売上収益は増加した。

 26年3月期の連結業績予想は、売上収益が3100億円で前期比1・7%増、事業利益は325億円で同5・4%増、当期利益は235億円で同21・9%増を見込んでいる。

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