ダイセルの26年3月期第1四半期連結決算は売上高は1392億7000万円で前年同期比4・3%減、営業利益は130億4300万円で同25・3%減、経常利益は123億4300万円で同32・1%減、四半期純利益は96億2000万円で同40・6%減となった。
セグメント別にみると、エンジニアリングプラスチック事業の売上高は599億3900万円で同4・4%減、営業利益は65億2900万円で同15・4%減となった。ポリアセタール樹脂、PBT樹脂、液晶ポリマーなどポリプラスチックスの事業は、電子材料向けが好調に推移したものの、ポリアセタール樹脂の産業機器向けなどの販売数量が減少したことや、為替の彫響などにより、減収となった。
水溶性高分子、包装フィルム、AS樹脂などダイセルミライズの事業は、2024年7月から樹脂コンパウンド事業を持分法適用会社ノバセルへ移管したことにより、減収となった。
マテリアル事業の売上高は403億1600万円で同9・4%減、営業利益は44億300万円で同51・5%減となった。
アセチル事業の酢酸は、主要誘導品の酢酸ビニルや高純度テレフタル酸の需要が引き続き低調である中、前期に原料(一酸化炭素)プラントのトラブルにより販売調整を実施していたことから販売数量は横ばいとなったが、市況の低下により、減収となった。
アセテート・トウは、堅調な需要が継続しているものの、前年同期比では販売数量が減少したことや、為替の彫響などにより、減収となった。
ケミカル事業の酢酸セルロースは、液晶パネル市場の中国の補助金政策や米国の関税発動前の駆け込み需要などによる一時的な回復もあり、ディスプレイ材料用途が増加したものの、中国市場における繊維用途の需要減少などにより、減収となった。
その他のケミカル製品は、化粧品市場の回後により1・3ーブチレングリコールの販売数量が増加したことや、前期に酔酸原料(一酸化炭素)プラントのトラブルにより販売調整を実施していた酢酸エチルの販売数量が増加したことなどにより、増収となった。
26年3月期通期の連結業績予想については、売上高は6000億円で前期比2・3%増、営業利益は540億円で同11・5%減、経常利益は560億円で同10・1%減、当期純利益は540億円で同9・1%増を見込んでいる。
