レゾナック・ホールディングスは8月1日、同社が直接的に保有するイタリアのフィアム・エナジー・テクノロジー(FET社)の全発行済株式をドイツの投資ファンドAURELIUS社に譲渡する株式譲渡契約書を同日締結したと発表した。
同社は、前身である旧日立化成時代の2017年に、欧州、米国、東南アジア等における自動車用および産業用鉛電池事業の強化を目的として、自動車用および産業用鉛蓄電池について欧州を中心に高いシェアを有するFET社の株式51・0%を取得、その後完全子会社化した。
FET社を買収した当時、旧日立化成は蓄電システム事業のグローバル市場における地位確立を目指し、製品力の強化、拠点拡充等に積極的に取り組んでいた。その一環としてFET社のブランド力や製造拠点、販売網などを活用し、自動車用および産業用鉛電池事業の拡大を段階的に進めてきた。
一方、同社グループは、「統合新会社の長期ビジョン(2021~2030)」で示した通り、世界トップクラスの機能性化学メーカーとして、持続可能な社会への貢献を目指している。その実現に向けて、継続的にポートフォリオの見直しをはかることで、持続的な成長を追求している。
このビジョンに基づき、最適な経営資源の配分及び事業ポートフォリオマネジメントを検討する中で、FET社の在り方について、あらゆる選択肢を慎重に検討した。その結果FET社の成長を支える戦略適合性/ベストオーナーの観点から、経営の実行支援において高く評価され、広く認知されているグローバルなプライベート・エクイティファンドであり、欧州において製造業における専門的な知見及び経営資源を有し、豊富な案件実績を誇っているAURELIUS社の元で事業拡大を図ることが、各ステークホルダーにとって最適であると判断し、同譲渡を推進することを決定した。
同取引の実現により、FET社がAURELIUS社の元で積極的かつ戦略的に事業を推進していくことにより、さらなる成長と競争力の強化が実現できるものと確信している。
同取引の完了後、FET社は同社の連結の範囲から除外される。また、同取引により2025年12月期の連結財務諸表において、非経常項目に約250億円の損失を計上する見込みであり、IFRS営業利益に影響する。
なお、同件が同社の業績に与える影響については、2025年2月13日に公表した2025年12月期通期業績予想に織り込み済であり、現時点での通期業績予想の変更はない。今後、開示すべき事項が発生した場合には速やかに知らせるとしている。
2025年08月05日
