東洋紡のウイルス検出試薬が保険適用 迅速にエムポックスを検出可能

2025年08月04日

ゴムタイムス社

 東洋紡は8月1日、2024年10月10日に厚生労働省より製造販売承認を取得した、全自動遺伝子解析装置「GENECUBE」専用のエムポックスウイルス検出試薬「ジーンキューブMPXV」について同日より国内で初めて保険適用となったと発表した。
 エムポックスは、オルソポックスウイルス属のエムポックスウイルスによる発疹や発熱などの症状を伴う感染症となる。1970年にザイール(現在のコンゴ民主共和国)でヒトへの初感染が確認された。2022年頃より中央アフリカから西アフリカを中心に流行が拡大し、2022年7月と2024年8月には、世界保健機関(WHO)によって「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」と宣言された。
 国内でも、2022年7月に患者が確認されて以降、散発的に患者の発生が報告されている。現在、感染症法上では4類感染症に分類されている。
 同製品は、皮膚病変、粘膜病変、または咽頭ぬぐい液中のエムポックスウイルスDNAの検出に使用する体外診断用医薬品となる。専用装置である「GENECUBE」を用いて、エムポックスウイルスに特異的な遺伝子配列をターゲットとするPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法により、迅速にエムポックスウイルスDNAの検出が可能となる。
 同製品は、国立健康危機管理研究機構(旧国立研究開発法人国立国際医療研究センター)国立国際医療センター国際感染症センターの総合感染症科医師の山元佳氏と共同で開発した。
 同社は、全自動遺伝子解析装置「GENECUBE」および専用検出試薬の普及を通じて医療現場における遺伝子検査体制の充実を支援するとともに、感染症の拡大防止と医療従事者の負担軽減に貢献できるよう努めていく。

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