ブリヂストンは7月30日、フィリピンの大手航空会社Cebu Pacific Airと、航空機用タイヤの在庫管理の効率化を目的として、QRコードとスマートフォンアプリを活用した同社独自の個体管理システム「easytrack」による新たなソリューションサービスを2025年4月から開始したことを発表した。同社がこのサービスを航空会社と正式に運用するのは、今回が初めてとなる。
航空機の安心・安全な運航に不可欠な航空機用タイヤは、高度な安全性および品質基準を満たすことが求められ、製造番号による一本ごとの個体管理が不可欠となる。これまでセブ・パシフィックでは、サプライチェーンの各拠点(倉庫、部品の整備を行うMRO、機体整備を行う運行拠点)において、タイヤの個体照合、在庫管理、メンテナンス作業を手作業や目視確認、紙ベースで行っていた。一方で、運航規模の拡大に伴い、これらの業務負荷が増大するとともに、在庫管理の非効率性や精度が課題となり、オペレーションの効率化や改善へのニーズが高まっていた。
同社は、このようなエアラインのニーズに応えるため、航空機用タイヤの生産・出荷から使用・返却まで一貫した個体管理を実現する新しいソリューションサービスとして、タイヤ個体管理システム「easytrack」を独自に開発した。「easytrack」の導入により、航空機用タイヤ特有の個体照合にかかる工数が削減され、在庫管理業務の効率化や改善が可能となる。今回、セブ・パシフィックのサプライチェーン各拠点に「easytrack」を導入し、その効果を一定期間検証した結果においては、タイヤ在庫管理に要する作業時間が約50%削減、在庫管理データの精度は100%を達成することができた。
セブ・パシフィックと同社は、「安心・安全な航空機運航の実現」「航空業界の発展」「社会への貢献」という共通の想いに共感し、今回の共創活動を推進している。この新たなソリューションの導入は、両社の信頼関係を基盤に、同社のモノづくり力を活かした「断トツ商品」や現場に密着した技術サービスといった強いリアルにデジタルを融合することで実現した。

