UBEとシコニア・バイオベンチャーズは7月29日、UBEが創製した前臨床段階の化合物について、シコニアがインキュベーションを実施する為に、オプション権許諾契約を締結したと発表した。
同契約により、シコニアは、インキュベーション対象化合物を革新的なスタートアップ設立につながるアセットに成長させるために必要なデータを取得する権利を取得して、インキュベーションを実行する。
UBE常務執行役員医薬事業部長、舩山陽一氏は、「当社は、人々の生命・健康に寄与する為に、アンメットメディカルニーズの高い疾患の治療薬創製を目指して日々創薬に取り組んでいる。この度のインキュベーション対象化合物は、アンメットメディカルニーズの高い領域も対象としており、シコニアが実行するインキュベーションにより日本に新たな創薬エコシステムが解き放たれて、患者様に新しい治療選択肢を提供できるよう、大いに期待している」とコメントしている。
シコニア・バイオベンチャーズ代表取締役、藤本利夫氏は、「日本の企業や大学には、世界に通用する創薬シーズと、それを育ててきた優秀な研究者たちがいる。道のりは長いが、当社は彼らの思いが世界の医療へとつながるように伴走していきたいと思う」とコメントしている。
UBEの医薬事業は、スペシャリティ化学を志向するUBEグループにおいて、ライフサイエンス分野の中核事業となるべく、創薬研究事業においては従来の低分子医薬品の他、ADC(抗体薬物複合体)などの高付加価値創薬に挑戦している。また、CDMO事業では既存の低分子医薬品分野を拡充すると共に、核酸医薬品等の新規モダリティの製造技術獲得などを通じて、人々の生命・健康を守る手段を提供していく。
シコニア・バイオベンチャーズは、武田薬品工業、アステラス製薬、三井住友銀行の出資により設立された合弁会社となる。日本発の革新的な創薬シーズをインキュベートし、グローバルに活躍できるスタートアップの創出を通じて、日本の創薬エコシステムの活性化を目指している。世界の医療に変革をもたらすイノベーションを日本から発信し、その中核を担う存在として挑戦を続けていく。
2025年07月31日
