日本精工は7月28日、脱炭素社会の実現に向けた取り組みの一環として、本年3月に開発した鉱山設備向け軸受のカーボンフットプリント自主算定値につき、「CFP算定報告書」を同日に公開したと発表した。軸受のCFP算定報告書の公開は業界初となる。
CFPは、製品単位の温室効果ガスの排出量を示す指標で、日本国内においても2025年2月に環境省が「カーボンフットプリント表示ガイド」を公表するなど、開示への関心が高まっている。同社は、鉱山設備のメンテナンスコスト削減やCO2排出量削減に取り組んでおり、分解可能にすることで、業界で初めてリコンディショニング(修復による再利用)に対応した高負荷容量の大形円すいころ軸受を本年3月に開発した。
今回公開したCFP算定報告書では、当該製品のライフサイクル全体におけるCO2排出量算定項目を明確化することで、より信頼性のある形での発信を狙いとしている。
今回のCFP算定報告書は、環境省が公表した「カーボンフットプリント表示ガイド」の「CFP表示の基本原則」に基づいて、算定の目的、対象製品と算定単位、対象とするGHGの種類/ライフサイクル、カットオフ基準とシナリオ、使用したデータに関する情報、参照したルール、算定結果、調査の限界と今後の方向性の項目に沿って開示している。
同社は、2035年度にScope1及びScope2のCO2排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの実現を目指している。このため、トライボロジー技術とモノづくり技術によって、環境貢献型製品を提供するとともに、燃料や電力の使用量削減、技術革新、再生可能エネルギー活用で製造段階でのCO2排出量を削減する。
さらには、環境に優しい材料の開発と採用、環境負荷が少ない物流、ユーザーでの同社製品の使用や廃棄などを明示し、製品のライフサイクル全体でのCO2排出量の削減に貢献していく。
同社は、今後も環境貢献型製品の売上拡大を通じて、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する。また、「算定報告書」を発行し、製品のCO2排出量の透明性や信頼性を担保していく。
2025年07月31日

