AGCは、フッ素ゴム「AFLAS(アフラス)FFKM」シリーズの新たなグレードとして、製造時に乳化剤やフッ素系の重合溶媒を一切使用せずに製造した「AFLAS FFKM」シリーズのSFグレードを新たに販売する。
SFグレードは従来品と同等の高い性能を持ちながら、乳化剤のみならずフッ素系の重合溶媒などを使用しないフッ素ゴムへの市場ニーズの高まりに対応したもので、同社独自の革新的なポリマー製造技術(Surfactant―Free & Fluoro Solvent―Free Technology)を用いることにより実現した。まずはAFLAS FFKMシリーズ内の半導体製造装置向け高耐熱グレードへ同技術を適用し、同製品を今年7月より販売する。今後はAFLAS FFKMの他グレードにも同技術を展開する予定にしている。
AFLAS FFKMは、フッ素ゴムの中でも最高レベルの耐薬品性・耐熱性・耐プラズマ性を持つ産業用ゴムであり、過酷な環境でも劣化しにくい特性を持っている。
そのため、半導体製造、石油掘削、ヘルスケアなど、高い耐久性が要求される分野で、シーリング材やOリングとして幅広く使われている。中でも半導体製造工程の一つであるエッチング工程では、高い耐プラズマ性を有するAFLAS FFKMがなくてはならない材料として強く支持されている。その劣化しにくい特性からエッチング装置のシーリング材料として使用されており、装置のメンテナンス間隔の大幅な延長および安全性の向上に貢献しています。
従来、高性能なFFKMの製造には、乳化剤やフッ素系の重合溶媒が不可欠とされていた。これは、これら乳化剤や重合溶媒の存在により、フッ素系モノマーの反応性が高まり、高性能なFFKMの製造が可能になるためだが、近年半導体用途を中心に、乳化剤のみならずフッ素系重合溶媒を使用しない製品へのニーズが急速に高まっている。フッ素系以外の乳化剤や重合溶媒を用いた製品も提案されているものの、要求される高い性能を満たすFFKMの実現は困難とされてきた。同社はこうした市場のニーズに応えるため、長年培ってきた独自の重合技術を応用し、一切の乳化剤およびフッ素系重合溶媒を使用せずに製造できる新技術の開発と量産化に成功。これにより同製品をAFLAS FFKMのラインナップに追加することが可能となった。
2025年07月28日
