TOYO TIRE、2つの賞を受賞 モーダルシフトの協業が評価

2025年07月03日

ゴムタイムス社

 TOYO TIREは7月1日、製造するタイヤの国内輸送において、これに関わる複数事業者と協業、推進したモーダルシフトの取り組みが評価され、第26回物流環境大賞(主催:日本物流団体連合会)における「低炭素物流推進賞」を共同受賞したことを発表した。また、併せて、同社はエコシップ・モーダルシフト事業実行委員会より「令和6年度エコシップマーク認定事業者」に選出されるとともにその取り組みが評価され、同委員会より「海運モーダルシフト大賞」を受賞した。

 生活を支える重要な基盤である物流インフラは、インターネット通販の成長にともなう配送需要の増大やサービス多様化などによる負担が増加するとともに、2024年法規を契機とした労働力不足が深刻化している。さらに、燃料の価格高騰による物流コストの上昇など多岐にわたる課題が山積しており、現在大きな変革期に直面している。また、国内では運輸部門がCO2排出量の約2割を占め、そのうち約4割はトラックなどによる貨物輸送であることから、物流セクターにおける環境負荷低減への取り組みが一層求められている。

 同社は従来、三重県(桑名工場)から広島県への製品輸送においてはトラックによる陸上輸送を行なってきたが、この一部に内航船による海上輸送(四日市港から広島港)を採り入れることによって、全行程におけるCO2排出量を56%削減した。また、海上輸送では同区間で回送していた空コンテナをタイヤの積載に活用し、輸送効率化とコスト低減を実現。さらに、桑名工場での荷詰め時には、海外輸出に使用している専用コンベアを利用することでトラックドライバーの荷役作業の負担を半減した。
 なお、工場周辺と広島県の各倉庫で在庫の適正管理を徹底し、天候などによる海上輸送時の遅延リスクの影響も最小化している。

 同社は「サステナビリティ経営方針」において、脱炭素とサプライチェーンのサステナビリティ促進を重要課題として掲げている。今回の2つの受賞は、大規模で革新的なモーダルシフトであることに加え、荷主と物流事業者の双方がメリットを享受しつつ、CO2排出量削減を達成していることなど、同社の低炭素物流推進に向けた取り組みが高く評価されたもの。
 同社は、今後もモーダルシフトなど物流改善の取り組みを通じてサプライチェーン全体の環境負荷低減に努めるとともに、ドライバーの作業負担軽減といった物流インフラにおける課題解決にも貢献していく。

左:第26回物流環境大賞「低炭素物流推進賞」 右:令和6年度「海運モーダルシフト大賞」

左:第26回物流環境大賞「低炭素物流推進賞」 右:令和6年度「海運モーダルシフト大賞」

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー