ランクセス、新グレード開発 特殊なイオン交換樹脂

2024年05月01日

ゴムタイムス社

 ランクセスは4月26日、「レバチット(Lewatit)」ウルトラピュアシリーズに、PEM電解(プロトン交換膜電解)の水処理に使用できる特殊なイオン交換樹脂新グレードを開発したと発表した。
 再生可能エネルギーから得た電力を水素に変換するこのプロセスは、水素の生産を持続可能にするための重要なアプローチと見なされている。これにより、風力や太陽光の変動をより適切に補完することができる。
 水素社会への移行において、PEM電解は重要な役割を果たすと考えられている。アルカリ水電解と比較してPEM電解は電流密度が高く、より小さなシステムで水素を製造することが可能となる。さらに、高圧排出口を水素充填ステーションに直接接続できることも特長となる。現在、PEM電解は開発が進んでおり、メガワット級の高効率生産が可能だが、プロセス水の連続的な精製を必要とする。 
 同社はTOC(全有機炭素)溶出を確実に抑えるため、最適化した「レバチット」ウルトラピュア1242 MD(強塩基性陰イオン交換樹脂、SBA)、「レバチット」ウルトラピュア1212 MD(強酸性陽イオン交換樹脂、SAC)、「レバチット」ウルトラピュア1295 MDのイオン交換樹脂による水の精製を推奨している。
 同社の液体高純化テクノロジーズ(LPT)ビジネスユニットは、PEM電解プラントにおける効率的な水処理の基準を確立するために、複数の主要なガス製造業者と協議を進めている。

レバチットUPイオン交換樹脂は、PEM電解による水素製造時の水流を連続的に精製するために使用する

レバチットUPイオン交換樹脂は、PEM電解による水素製造時の水流を連続的に精製するために使用する

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