TPUの新工場を竣工 BASF、中国・湛江拠点に

2024年01月24日

ゴムタイムス社

 BASFは1月18日、中国・湛江フェアブント(統合生産拠点)における熱可塑性ポリウレタン(TPU)工場竣工を発表した。新工場は同社にとって世界最大のTPU単一生産ラインとなる。新工場はスマートファクトリーとして、自動誘導車両や高度な制御システムなどの先進技術を備え、効率性の高い設計を特徴としている。
 同社は湛江フェアブント拠点における最初の工場として、エンジニアリングプラスチックのコンパウンド工場を2022年に竣工し、クリエーションセンターにおけるイノベーション能力、アジア太平洋地域における広範な研究開発(R&D)ネットワーク、革新的な材料ソリューションで、この地域における顧客の需要の高まりに対応できる体制を整えている。同社の研究開発ネットワークは、エンジニアリング、シミュレーション、製造のノウハウを提供し、市場の需要や、自動車の電動化、電子デバイスの小型化などのトレンドに合わせて、顧客のイノベーションや製品開発を後押ししている。
 同社では2025年までに湛江フェアブント拠点全体を100%再生可能エネルギーで稼働させる計画。この新たなフェアブント拠点への投資は、完成時には約100億ユーロとなる同社最大規模のものとなる。この拠点は同社の単独責任で運営され、ルートヴィッヒスハーフェン(ドイツ)、アントワープ(ベルギー)に次ぐ、同社にとって世界第3位のフェアブント拠点となる。
 Elastollan(エラストラン)TPUは自動車、コンシューマー・エレクトロニクス製品、フットウェア、スポーツ・レジャー、ヘルスケア、産業用ケーブル・電線など、様々な産業で幅広く使用されている汎用性の高い材料で、e―モビリティ分野では、Elastollanが高い屈曲性と長期耐久性に優れることからケーブルシース(外部被覆)に採用されている。
 TPUは高い強度、柔軟性、耐摩耗性などの優れた特性により、幅広い用途に最適な材料で、とりわけハイエンドのTPU市場の成長は、規制の増加や、サステナビリティに対するユーザーの期待の高まりなど、複数の要因によって需要の成長が期待されている。

中国・湛江フェアブント拠点のプラント

中国・湛江フェアブント拠点のプラント

竣工式典の様子

竣工式典の様子

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