BASF、酸化防止剤上市 PUR加工時の劣化大幅抑制

2023年12月13日

ゴムタイムス社

 BASFは12月12日、革新的で先進的な耐スコーチ性ソリューションであるIrgastab(イルガスタブ)PUR71を発表した。
 これは規制遵守を保証するだけでなく、優れた性能を提供する製品となる。このプレミアムなソリューションは芳香族アミンを含まず、従来の耐スコーチ性を有する添加剤の限界に効果的に対処している。
 また、環境・健康・安全性プロファイルが優れていることから、業界における物質分類とサステナビリティに関する規制圧力の高まりにも対応している。
 ポリウレタンフォームの製造では、主原料であるポリオールが適切に安定化していないと、加工中で発生する熱によって変色や機械的特性の喪失、さらには発火の危険性が生じる。従来の耐スコーチパッケージは、フェノール系酸化防止剤と芳香族アミン系安定剤の組み合わせによるものだったが、これには不快な臭い、毒性の懸念、高い揮発性といった重大な欠点があった。
 耐スコーチ添加剤を使用することで、PURフォーム加工時の発熱反応による劣化を大幅に抑えることができる。
 芳香族アミンを含有していないイルガスタブPUR71は、効果的に排出量を減らし、人間と水生生物への潜在的な影響を低減する。その結果、ポリウレタンフォームから放出する揮発性有機化合物(VOC)とフォギング現象(FOG)が大幅に減少する。
 このような特性により、車内環境が大幅に改善し、オートモーティブ産業における優位性を確保できるようになる。
 イルガスタブPUR71は、さまざまな産業における特定のアプリケーションで使用でき、 それぞれにおいてメリットを提供する。
 オートモーティブ業界における、最も厳しい仕様に準拠しており、低排出と車内環境の改善を実現する。
 コンフォート分野では、 ポリオールや発泡体に最先端の耐スコーチ性を提供し、発泡工程での熱劣化を防ぐ。また、発がん性、変異原性、生殖毒性(CMR)の分類がないため、ポリオール製造業者は自主的に環境認証に準拠し、耐スコーチ処方の機密を保持することができる。
 消費財の場合、白色度を向上させ、ガスや光による変色に対する耐性を与えることで、製品品質を向上させる。
 イルガスタブPUR 71は、VALERAS(バレラス)のポートフォリオの一部となる。同社はバレラスにより、プラスチック添加剤製品と共に革新的なソリューションを通じ、ポリ マーバリューチェーン全体におけるプラスチックの持続可能性の向上に取り組んでい る。

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