積水化学、米国生産拠点新設 EV向け放熱材料量産開始

2023年11月24日

ゴムタイムス社

 積水化学工業は11月22日、同社の連結子会社である積水ポリマテックが、EV(電気自動車)など環境対応車向け放熱材料の米国生産拠点を新設し、10月より量産を開始したと発表した。
 米国では連邦政府一体となってEVの普及が強く推進されており、米国市場の2025年度EV生産台数は、2022年度比で約3倍超となる400万台にのぼると予想されている。これに伴い、米国の各自動車メーカーやEVに搭載されるリチウムイオン電池(LiB)・電装品メーカーからの放熱ニーズが急速に拡大している。積水ポリマテックの放熱材料は、高い熱伝導性能に加え、低アウトガスなどの優れた性能により、すでに日本・中国・欧州の自動車メーカーやLiBメーカーから高い評価を得ている。こうした背景から、積水ポリマテックは2023年1月にSEKISUI POLYMATECH AMERICA,LLC(SPA)を設立し、2023年1月からケンタッキー州カルバートシティに新工場の建設を進めてきた。2023年9月からの試作・試験販売を経て、10月より本格的な量産を開始している。
 積水ポリマテックでは、従来の日本・タイ・中国・欧州と合わせ、グローバル5拠点での放熱材料生産体制が整った。SPAでは140万リットル/年の生産能力があり、これは約70万台分のEVへの搭載量に相当する。積水ポリマテックの放熱材料事業は、米国を加えた量産体制をベースに2025年度売上高200億円を目指す。

放熱材料生産イメージ

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