朝日ラバーのやわらか保護カバー EnOceanデバイスに採用

2023年10月12日

ゴムタイムス社

 朝日ラバーは、10月11日、丸紅情報システムズ(MSYS)が代理店販売を行うEnOceanデバイスに、同社「やわらか保護カバー」が採用されたと発表した。防塵防水対応IoTデバイスとして、MSYS・同社で販売を開始する。

 やわらか保護カバーは、さまざまな通信帯のデバイス等をシリコーンゴムで覆い中身を保護する筐体の役割を持つ同社独自の製品。分子接着接合技術を用いて筐体となるゴムのパーツ同士を接着しているため、接着剤による接着方法に比べ高い防水性や防塵性があり、水や土・泥などがかかる環境でも安心して使用することが可能となる。またシリコーンゴム製のため落下や振動といった衝撃に強いことに加え、耐候性にも優れており紫外線の強い屋外でも長期間の使用が可能となる。
 省エネルギーを実現するエネルギーマネジメント分野では、IoTセンサーデバイスは著しい成長を遂げた一方、農畜産業や農業生産物の加工・流通・販売の分野では雨滴や散水などの環境条件に対応するため、防水防塵性能がエネルギーマネジメント導入の課題となっている。
 既存の防水防塵型 IoTセンサーデバイスは、デバイス数に比例してバッテリー交換などのメンテナンス工数が発生するため、エネルギーハーベスト対応の防水防塵型IoTセンサーデバイスが求められている。
 MSYSのEnOceanデバイス「SPC431J」「SPC550J」は、独EnOcean社が提供する低消費電力無線通信モジュール「STM431J」や「STM550J」に、同社によるシリコーンゴムの「やわらか保護カバー」で本体を保護し防塵防水機能を追加した製品となる。
 高透明グレードのシリコーンゴムを使用したやわらか保護カバーは太陽光を94%透過するため、モジュールに搭載した太陽光発電パーツの発電効率を大きく下げることなく、電源レスで長期間利用できるIoTシステムの構築に貢献する。
 EnOceanデバイス本体内部にはコイン電池を搭載しているため、天候不良が続くなど太陽光発電が十分に電力を確保できない場合にも対応する。見通し距離で100mの通信を実現し 、LPWAセンサーデバイスとして農畜産分野での育成管理や食品流通における保存温度管理への活用を実現できる規格となる。
 「やわらか保護カバー」は、こうしたEnOceanセンサの機能をそのままに、防塵や防水機能を求められる屋外での使用を可能にした。
 両社は、SPC431J/SPC550J各1個とUSB型EnOcean通信受信端末をセットにした体験キットを4万9800円(税別)で発売し、2023年11月より出荷を開始する。
 また、SPC431J/SPC550Jの量産出荷は2024年3月を予定している。
 
 

温度センサSPC431J

温度センサSPC431J

マルチセンサSPC550J

マルチセンサSPC550J

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー