出光興産、LOPSと共同検討 持続可能なSAFの原料調達

2023年08月25日

ゴムタイムス社

 出光興産と、油脂ビジネスを展開する LOPSは8月24日、持続可能な航空燃料(SAF)の原料調達に関する共同検討を実施することに合意し、このたび基本合意書を締結したと発表した。
 両社は今後、国産SAFの社会実装に向けて、使用済み食用油(廃食用油)などのSAF原料を国内各地から安定的に調達する体制を2020年代後半までに構築することを目指す。
 航空業界におけるCO2削減の具体策として、SAFの安定供給の実現に対する社会的な要請が高まっている。SAFは非化石由来の原料から製造するが、食用作物と競合の少ない原料の確保が課題の一つとなっている。
 同合意により両社は、出光興産が持つ石油製品の製造技術、LOPSが持つ動植物油脂に関する知見、それぞれのサプライチェーンを活用し、国内における廃食油など のSAF原料の調達、貯蔵・海上輸送・陸上輸送の最適化とコスト削減、安定調達に向けた仕組み づくりに関する検討を行う。
 出光興産は、2030年までに本邦エアラインによる燃料使用量の10%をSAFに置き換えるという日本政府および航空業界の目標実現に向け、年間 50 万 KLのSAF国内生産体制の構築に取り組んでいる。そのために、2026年度から供給開始予定の千葉事業所での ATJ技術による実証に加え、2020年代後半の供給開始を目指し、HEFA技術も対象に2号機以降の展開を検討している。
 LOPSは、2007年に設立した油脂専門商社。生産者との友好的かつ強固なパートナー シップを背景に様々な用途に油脂原料を供給しており、廃食油の輸出では 50%以上のシェアを 持っている。
 油脂の安定供給とマーケットの安定化を図ると共に、常にグローバルな視点に基づき、油脂業界に於けるスタビライザーとして社会に貢献している。
両社は同合意により、SAF原料確保の課題解決に取り組み、航空燃料の脱炭素化へ貢献する。

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