車向け回復でシール事業は増益 NOKの4~6月期

2023年08月03日

ゴムタイムス社

 NOKの24年3月期第1四半期連結決算は、売上高が1639億5700万円で前年同期比1・8%増、営業損失は12億2600万円(前年同期は13億9400万円の営業損失)、経常利益は64億4500万円で同30・4%増、四半期純利益は22億9700万円で同11・9%増となった。
 セグメント別では、シール事業の売上高は872億3100万円で同7・7%増、営業利益は34億4400万円で同8・9%増。自動車向けは半導体等の部品供給不足の影響により落ち込んでいた生産が国内を中心に回復し、販売が増加した。一般産業機械向けは中国での景気鈍化の影響を受け建設機械、工作機械、ロボット向けなどの業界で販売が減少した。
 電子部品事業の売上高は699億6500万円で同4・2%減、営業損失は47億5900万円(前年同期は49億700万円の営業損失)となった。昨年度の中国ロックダウンからの回復で車載バッテリー用途を中心に自動車向けの販売は増加。一方、買い替えサイクルの長期化によりスマートフォン向け販売は減少、ハードディスクドライブ向けの販売も需要回復の遅れにより減少した。
 その他事業の売上高は67億6100万円で同3・1%減、営業利益は9700万円で同72・0%減。事務機向け製品で海外での販売が減少したほか、特殊潤滑剤の需要が減少した。
 第1四半期業績を踏まえ、24年3月期第2四半期業績予想ならびに24年3月期通期業績予想は前回発表からを修正した。シール事業は半導体等の部品供給不足は解消に向かいつつあり、自動車生産台数は堅調な回復が見られるが、中国市場およびASEAN市場における自動車向け、および一般産業機械向けの販売が想定を下回る見通し。また、電子部品事業は需要回復を見込んでいたハードディスクドライブ向けの販売が予想を下回ることや、成長を期待する自動車向けの販売の伸びが想定を下回る見通し。
 なお、24年3月期通期連結業績予想は、先行きが不透明であるため、下期の業績予想を据え置き、
上期の業績予想の修正値分のみを反映させている。
 24年3月期通期業績予想は売上高が7352億円(前回予想7480億円、増減率1・7%減)、営業利益は235億円(同262億円、同10・3%減)、経常利益は342億円(同343億円、同0・3%減)、当期純利益は188億円(同184億円、同2・2%増)を見込んでいる。

関連キーワード: ·

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー