朝日ラバーら3者が共同で 注射トレーニング用パッド開発

2023年07月26日

ゴムタイムス社

 近畿大学生物理工学部医用工学科講師西手芳明氏、タナック、朝日ラバーは共同で、注射(穿刺)トレーニング用パッドを開発したと発表した。
 従来のものに比べてリアル感と耐久性を兼ね備えた新素材を用いることで、トレーニング回数を増やすことが可能となり、医療技術者の穿刺技術の向上に貢献する。
 同件のポイントは、模擬皮膚、模擬血管材料の硬度を変化させ、ヒトの質感および血管をリアルに再現できる点や、コンパクトな設計で病院や消防署での人工透析シミュレーションも容易になるという点、臨床工学技士をめざす学生がより実物に近いモデルで技術を修得し、未来の医療へ貢献できるという点となる。
 3者は、産学連携で実践型の注射(穿刺)トレーニング用パッド「レベラップ」を開発した。穿刺から始め、針を留置しての逆血確認や輸液(薬液)注入ラインの接続、終了時の抜針まで一貫してトレーニングを行うことができる。
 従来のトレーニング用パッドは、模擬皮膚が厚く耐久性が弱いために繰り返しの練習には十分ではなく、多数のトレーニング用パッドを購入する必要があり、コスト面での課題があった。
 一方、今回開発した新素材は、穿刺可能回数が従来の10回に比べて30回と大幅に向上し、1回あたりの穿刺コストの削減に成功した。
 また、新開発のトレーニング用パッドでは、模擬血管に模擬血管被覆材を用いることで穿刺時のリアル感を出し、模擬血液の逆血を針先から抽出させることで、穿刺針が血管内に挿入できたかの確認ができる構造となっている。
 さらに、コンパクトに設計することで、病院や消防署での輸液用静脈路確保や、透析患者の特殊な血管を想定した穿刺トレーニングも行うことができる。動脈、静脈などいろいろな部位を再現でき、初級者から上級者用まで技量に合わせたカスタマイズも可能となる。
 近畿大学は、パーツ類に具備すべき特性および穿刺パッドの構造に関するアイデア提示、パーツ類の評価、および穿刺パッド試作品の評価、医療機関職員からの意見、評価の取得。研究内容の学会発表を行う。
 タナックは、模擬皮膚材料、パッド本体材料などのパーツ類の製造およびそれらを組み合わせた試作品の製造および販売を行う。
 朝日ラバーは、医療機器メーカーからの市場とヒアリング、販売営業・マーケティング面からの製品企画などの出口戦略および販売。配合技術を応用した模擬血管イソプレンチューブの提供を行う。
 商品名は、レベラップ、販売開始は、令和5年7月25日、販売方法は、タナック第一営業開発課、朝日ラバー営業本部への問い合わせとなる。
 価格は、腕模型セット(前腕部1本/交換用穿刺部)9万8000円、交換用穿刺部1個1万9000円、用途は、穿刺針トレーニング、留置針トレーニング、模擬血液を循環させた人工透析(体外循環)シミュレーショントレーニングなどとなる。
 タナックの所在地は、岐阜県岐阜市元町4丁目24番地、代表者は、代表取締役社長棚橋一成氏、設立は平成8年11月1日、事業内容は、シリコーンの加工およびシリコーン加工品の販売、従業員数は、38人、資本金は3000万円となる。
 朝日ラバーの所在地は、埼玉県さいたま市大宮区土手町二丁目7番2、代表者は代表取締役社長渡邉陽一郎氏、設立は昭和51年6月、事業内容は、工業用ゴム製品の製造・販売、従業員数は320人、資本金は5億1687万円となる。

注射(穿刺)トレーニング用パッド「レベラップ」

注射(穿刺)トレーニング用パッド「レベラップ」

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