プラスチック添加剤特集 エボニックジャパン TEGOCycleシリーズ拡販へ 日本市場は高い成長率を維持

2023年07月25日

ゴムタイムス社

 スペシャルティケミカルの世界的企業、エボニックインダストリーズの日本法人であるエボニックジャパン。スペシャルティアディティブス部門に属する5つの事業部の1つであるインターフェイス&パフォーマンスがプラスチック添加剤「TEGO®ブランド」を世界各国に提供している。
 TEGO®ブランドは、TEGOMER®、TEGO® Sorb、TEGOPREN®などを展開中だ。TEGOMER®は、高温領域での安定性と両親媒性により、高い柔軟性と優れた効率を実現する分散剤。エンジニアリングプラスチックやケーブル、熱可塑性エラストマー(TPE)、顔料等の表面処理、潤滑効果の促進、傷防止、触感向上などの用途に用いられる。一方、TEGO® Sorbは、活性化されたオレイン酸亜鉛で、特にN,S元素由来の悪臭を吸収させる効果がある。
 インターフェイス&パフォーマンスにおける日本市場は、「この5年間は力強い成長を遂げている」(同社)。特に、プラスチック添加剤は複数の新規プロジェクトに採用され、23年年初からの売上高は前年同期比で高い成長率を達成している。
 現在、TEGO®ブランドでは、メカニカルリサイクル用添加剤として開発した「TEGO® Cycle」シリーズの拡販にも力を注ぐ。TEGO® Cycleは、メカニカルリサイクルプロセスの高効率および省エネ化を目的に設計されており、ポリマーの品質を向上させ、プラスチックのバリューチェーンをバリューサイクルに移行することを可能とする材料だ。
 同シリーズには、プラスチックリサイクルの浮沈分離および洗浄プロセスに適した湿潤剤の「TEGO® Cycle WA111」や生分解性脱水助剤「TEGO® Cycle DW210」などをラインナップする。例えば、WA111は、プラスチック廃棄物の脱墨、ラベルおよび金属の剥離に効果を発揮する界面活性剤である上に、溶剤フリーおよびシリコンフリー、低発泡性で表面移行が速い、といった点も優れている。DW210は、遠心分離やろ過後のプラスチックフレーク(フレークとはプラスチックを破砕、洗浄、乾燥したもの)上の水分を減少させる効果があり、同添加剤により乾燥にかかるエネルギーコスト削減につながる。
 プラスチックリサイクルを取り巻く環境は、従来のコストダウン要求から、より高品質なPCR※(ポストコンシューマーリサイクル、※市場で使用済製品を回収、再資源化)に対する需要が高まっている。「洗浄段階の効率向上、乾燥時間の短縮、物理性能の向上に役立つ当社のメカニカル用添加剤は今後の需要拡大が期待される」(同社)。その他、フッ素系PPA(ポリマープロセス助剤)の代替剤「TEGOMER®」や、ハロゲンフリー阻燃剤の添加剤では、電線・ケーブル向けのコンパウンド用に数多くの製品を開発してきた。「今後もさらなる難燃性向上や疎水性を向上した製品開発も力を入れていく」(同社)。

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