レゾナックらが設立の連合体 ジョイント2にオーク製作所参画

2023年06月28日

ゴムタイムス社

 レゾナックは6月27日、同社が中心となり設立した、次世代半導体パッケージ技術開発のコンソーシアム「JOINT2(ジョイント2、Jisso Open Innovation Network of Tops2)」に、このたび露光装置メーカーであるオーク製作所が新たに加わったと発表した。
 これにより、「ジョイント2」は日本を代表する半導体の装置、材料、基板メーカー13社で構成されるコンソーシアムとなる。最先端の後工程技術に関する一貫ラインを揃えたコンソーシアムとして、次世代半導体パッケージの評価技術・開発をさらに加速する。
 「ジョイント2」は、他社との協業により2・5D実装や3D実装など次世代半導体の実装技術や評価技術を確立すべく、2021年に参画企業12社でスタートした。2018年に設立した「JOINT」の次なるプロジェクトとなる。
 参画企業の材料や装置を組み合わせることで、ユーザーが行う半導体評価試験に近い条件での材料や装置の評価が可能となり、これまでユーザーがサプライヤー毎に個別に行っていた評価の手間が省け、スピードが求められる半導体パッケージの開発において、期間の短縮に寄与している。
 半導体チップをパッケージする半導体の「後工程」領域は、5G、ポスト5Gなどのデータ高速化に対応した進化が求められており、次世代技術の期待が集まる分野となる。後工程は工程が何段階もあり、多くの材料を使う。
 1社では解決できない課題が多く、すり合わせを得意とする日本のメーカーが大きなシェアを握っている分野でもある。
 オーク製作所は、半導体用の高密度パッケージ基板製造に用いるダイレクト露光(DI)装置を主力製品として製造するメーカー。現在、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に採択されたプロジェクトの元に、後工程向けの次世代DI装置の開発にも取り組んでいる。このたびオーク製作所が「ジョイント2」に加わることで、最先端の後工程技術に関する一貫ラインが揃う。
 マスク不要のDI装置の適用により開発期間の短縮を図り、注目が集まる後工程技術の革新が加速する。
 オーク製作所は、「ジョイント2」に参画することで、後工程における露光前後のプロセス評価を含めた知見を獲得し、顧客提案力の強化を目指す。
 「ジョイント2」は、新たなメンバーを迎え、オープンイノベーションを促進し、次世代半導体パッケージの技術変化に応じた評価技術や、材料、基板、装置の開発を加速していく。
 オーク製作所代表取締役会橋本典夫氏は、「今般、「ジョイント2」の理念である「共創」に共感し、「微細配線を実現する露光技術」を担当するメンバーとして参画することになった。当社は、高度化する半導体パッケージの実現に向けて、「前例のない」露光技術の開発を挑戦課題としてきた。現在、アドバンスト・パッケージ向けに線幅2μm以下の解像性能を有するDI装置の開発を進めており、「ジョイント2」での信頼性評価などを通じて、装置の提案力を高め、顧客の期待に応えていきたいと考えている。」とコメントしている。
 ジョイント2事務局同社エレクトロニクス事業本部開発センター長阿部秀則氏は、「ジョイント2は、発足からおよそ2年が経過し、さまざまな研究成果が得られつつある。先日の国際会議ECTC(IEEE 73th Electronic Components and Technology Conference)では「ジョイント2」の活動について3件の成果発表を行い、多くの反響をいただいた。今般優れた露光技術を保有しているオーク製作所に「ジョイント2」へ参画いただけることとなり、次世代半導体後工程技術に対してより強力な体制で挑むこととなった。これからも「ジョイント2」は、世界に秀でた企業を結集し国家プロジェクトの高い目標にチャレンジし続け、半導体後工程技術を牽引していく。」とコメントしている。
 オーク製作所は、電子回路基板用露光装置の製造メーカー。1980年代にコンピュータや家電製品向け基板用の自動露光装置を手掛け、以降ビデオ、PC、携帯電話、スマートフォンと高密度・微細化する基板の進化に合わせて、新しい露光装置を開発して市場に投入してきた。
 2006年にはDI露光の要素技術を獲得して製品化に成功。以来、DI技術の高度化に尽力し、10μm以下の高精細パターンを高精度に形成するDI装置を開発。先端パッケージ基板向けに提供している。
 さらに、後工程にも着目し、2μm以下の解像性能を実現するDI装置の開発を行っている。
 同社グループは、2023年1月に昭和電工グループと昭和電工マテリアルズグループ(旧日立化成グループ)が統合してできた新会社。
 半導体・電子材料の売上高は、全体の3割にあたる約4000億円に上り、特に半導体の「後工程」材料では世界No・1の企業となる。2社統合により、材料の機能設計はもちろん、自社内で原料にまでさかのぼって開発を進めている。
 新社名の「Resonac」は、英語の「RESONATE、共鳴する・響き渡る」と、と、Chemistの「C」の組み合せとなる。今後さらに共創プラットフォームを生かし、国内外の半導体メーカー、材料・装置メーカーとともに技術革新を加速させる。

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