BASFが2023年半ばに 上海にエコバイオ生産設備を設置 

2023年04月17日

ゴムタイムス社

 BASFは4月6日、アジアのユーザーへのサポートをより充実させるため、バイオポリマーである「ecovio」(エコバイオ)の生産設備を中国・上海に設置すると発表した。
 評価、検証が順調に完了でき次第、2023年半ば以降にアジア太平洋地域全土での量産販売が可能となる。最初に販売するコンパウンド製品には、生分解性認証を受けたレジ袋や有機ゴミ袋、生分解されて土に返る農業用マルチフィルム、包装材向けのフィルム用グレードを含む予定となる。
 これによりアジア太平洋地域のユーザーは、同社の革新的なバイオポリマーとサービスをより短い納期で調達し、現地のプラスチック規制の動きにも速やかに対応できる。
 エコバイオは、国際規格や各国の規格に基づいて認定された高品質のバイオポリマーであり、工業用コンポストや家庭用コンポストのほか、農地でも微生物によって生分解される。
 同社のバイオポリマーは、欧州の食品接触材規則や米国食品医薬品局(FDA)の食品接触物質通知の要件を満たす、数少ない生分解性ポリマーとなる。
 同社グローバルバイオポリマーのマーケティング責任者であるマルセル・バース氏は、「現地のコンパウンド設備により、地域内のフィルムメーカーのニーズを効果的に満たし、重要なアジア市場での事業成長を促進することができる。袋、農業用マルチフィルム、包装材における生分解性材料の使用に関して、アジア太平洋地域の多くの国で新しい法律や規制が施行されるにつれ、今後も市場の成長が期待される」と述べている。
 同社のバイオポリマーであるエコバイオは、DIN EN 13432などの規格に適合する生分解性認証を受けている。エコバイオは同社のPBAT (生分解性脂肪族 -芳香族コポリエステル)であるエコバイオ(エコフレックス)と再生可能原材料の混合であり、一般的な用途は有機ゴミ袋、食品包装用フィルム、果物・野菜用袋のほか、農業用マルチフィルムや食品包装材となる。
 研究では、生産、梱包、食品の品質保持期限、食品廃棄物の収集におけるエコバイオの利点が実証している。このような利点は、工業用コンポストおよび家庭用コンポスト、または農地における認定済みの生分解性に基づく。
 堆肥の増加により、食品廃棄物が削減し、栄養物が土壌に還元されるほか、農地における残留性マイクロプラスチック蓄積も回避できる。これが有機資源のリサイクルによる栄養物の継続的な循環につながり、循環経済に貢献する。

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