PLA100%のフィラメント糸開発 ハイケムと小野莫大小工業ら

2023年03月31日

ゴムタイムス社

 ハイケムは3月30日、同社とPLAY PRODUCT STUDIO、小野莫大小工業で、PLA(ポリ乳酸)100%のフィラメント糸(長繊維)を共同開発し、PLAY PRODUCT STUDIOが展開する「メゾンスペシャル(MAISONSPECIAL)」のTシャツとして4月1日より販売開始すると発表した。
 PLA100%フィラメント糸の日本のハイブランドによる製品化は日本初となり、世界でも先駆け的な事例となる。
 今般開発した、PLAフィラメントは、シルクのようなドレープ性があり滑らかな風合いと、光沢のある上品な素材に仕上がった。また、PLAの課題であった染色性の難しさを解決し、PLA100%でも鮮やかな発色を実現している。また、ポリエステル製のTシャツと比べて、原料製造時のCO2を約86%削減する。
 PLAスムースプライムオーバークルーネックTシャツは、トウモロコシ由来という環境に配慮した画期的な素材を使用し、MAISON SPECIALらしく洗練された印象に昇華させたカットソー。オーバーサイズながら、上品な素材感と洒脱なシルエットで野暮ったくならず大人な印象を演出した1着となる。
 PLA の特徴としては、生分解性、カーボンニュートラル、抗菌性の3つ。
 PLAは原料にトウモロコシなどのバイオマスを使用しているので植物の生育過程でCO2を吸収しており、焼却しても大気中のCO2を増加させないカーボンニュートラルな素材。また、原料製造時のCO2の排出量はポリエステルと比べても1/7となるなど、原料製造時の CO2排出量の削減も期待できる。
 更に、一定の条件下で水と二酸化炭素に分解する生分解性を有しており、製品の使用後は自然に還る理想的なサイクルを実現できる。機能としては、乳酸を原料とするため天然の抗菌性を有しており、近年繊維素材としても注目を集めている。
 同社は、小野メリヤス工業などの日本の高い技術を誇る繊維関連企業と合同でハイラクトのファッションへの展開を行っている。
 PLAが持つカーボンニュートラルな特性を活かし、いつもの生活を続けても叶うファッションのサステナブルの未来を実現すべく、ポリエステル素材の代替えとしての可能性を模索している。また、PLAが抱える耐熱性や耐久性の課題を解決すべく、素材の研究開発を加速させている。

メゾンスペシャル展開商品

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