原燃料重く減益目立つ 原料10社の4~12月期

2023年02月27日

ゴムタイムス社

 合成ゴム・化学メーカーの23年3月期第3四半期決算(クラレは22年12月期)から、合成ゴムやエラストマー原料など化学部門の現況をピックアップした。原材料価格上昇による販売価格の改定を実施したことで各社増収となった。一方、利益は原燃料価格の高騰などコスト負担が重く、前年同期を下回る企業が目立った。
 ◆日本ゼオン
エラストマー素材事業は、売上高が1673億3300万円で前年同期比13・1%増、営業利益は122億900万円で同23・4%減。合成ゴム関連では、半導体不足等により自動車生産台数が伸び悩む中、国内販売は底堅い需要に支えられ堅調に推移したが、合成ゴムの主力生産工場の定期修理に伴い出荷量を調整した結果、輸出販売数量は前年同期を下回った。一方、原料高騰分等の価格転嫁が進み、全体の売上高、営業利益はともに前年同期を上回った。
 合成ラテックス関連では、医療・衛生用手袋の流通在庫が引き続き過剰で需給が緩んだことに加え、原料高騰の影響も重なり、売上高、営業利益ともに前年同期を大幅に下回った。
 ◆三井化学
 モビリティソリューションの売上収益は3908億2700万円で同25・5%増、コア営業利益は389億2300万円で同61・9%増となった。エラストマーでは、太陽電池の封止材の販売は堅調に推移したほか、価格改定や為替差で交易条件が改善した。
 ◆住友化学
 エッセンシャルケミカルズの売上収益は6755億円で同8・1%増、コア営業利益は20億円の損失(前年同期は520億円の利益)となった。合成樹脂や

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