高機能プラ事業は大幅減益 住友ベークライト4~12月

2023年02月07日

ゴムタイムス社

 住友ベークライトの23年3月期第3四半期決算の売上収益は2166億4900万円で前年同期比10・6%増、事業利益は203億800万円で同4・2%減、営業利益は200億1300万円で同4・6%減、四半期利益は161億5500万円で同0・1%増となった。
 セグメント別では、半導体関連材料の売上収益615億3400万円で同9・0%増、事業利益は126億8800万円で同0・3%減。主力の半導体封止用エポキシ樹脂成形材料は、前年度好調だったパソコンやスマートフォンなど民生向けの需要が冷え込み、在庫調整局面が続いていることから販売数量は減少した。売上収益については原料価格上昇に伴う価格改定と円安影響により増加した。感光性ウェハーコート用液状樹脂は、主要用途であるメモリー需要が堅調に推移しており、販売数量、売上収益ともに増加した。半導体用ダイボンディングペーストは、民生用途の需要減少、顧客での在庫調整が長期化し、売上収益は前年同期を下回った。半導体パッケージ基板材料「LαZ」シリーズは、中国市場のスマートフォン需要が低迷したことで売上収益は減少した。
 高機能プラスチックの売上収益は770億4000万円で同13・2%増、事業利益は28億8900万円で同38・7%減となった。工業用フェノール樹脂およびフェノール樹脂成形材料は、中国での新型コロナウイルス感染者数増加による生産・消費活動の停滞影響で販売数量が大幅に減少した。原料価格上昇に対応して製品価格の改定に努めたこと、円安が進行したことにより売上収益は増加したが、販売数量の減少分をカバーできず事業利益は前年同期を大きく下回った。銅張積層板は車載向けの販売数量は減少したが、エアコン用、LED照明用基板の販売好調と円安効果により売上収益は増加した。
 クオリティオブライフ関連製品の売上収益は775億4800万円で同9・3%増、事業利益は74億5500万円で同18・2%増。医療機器製品では、国内市場向けは病院向け、企業向けとも手術症例数の減少により販売実績は前年同期並みだったが、北米向けの採血キット、アジア向けの血液バッグなど輸出販売が好調なことから、売上収益は大幅に増加した。バイオ関連製品は輸出販売が好調で売上収益は前年同期を上回った。ビニル樹脂シートおよび複合シートは、産業用途が中国市場の景気低迷を受けて販売数量が減少したが、医薬品包装用途、食品包装用途は好調を継続し売上収益は前年同期比で増加した。ポリカーボネート樹脂板および塩化ビニル樹脂板は、主要な用途である店舗用サイン・ディスプレイ、建材用途およびサングラス用の偏光板用途で需要回復が遅れており、売上収益は前年同期比で横ばいだった。
 23年3月期通期業績予想は前回公表から修正し、売上収益は2860億円で前期比8・7%増、事業利益は252億円で同4・9%減、当期利益は200億円で同9・3%増を見込んでいる。

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