三菱ケミ、PVOH樹脂増強 岡山に新プラント建設

2023年02月02日

ゴムタイムス社

 三菱ケミカルグループは2月2日、ポリビニルアルコール樹脂(以下「PVOH樹脂」)の特殊銘柄である「ゴーセネックス」および「ニチゴーGポリマー」について、岡山事業所に新たなプラントを建設し、生産能力を増強すると発表した。2024年10月の稼働を予定している。
 ゴーセネックス、ニチゴーGポリマーは、PVOH樹脂にさまざまな機能性を付与した高付加価値製品となる。
 ゴーセネックスは、感熱記録紙の表面加工や乳化剤、半導体用のシリコンウエハーの加工材料などに使用している。またニチゴーGポリマーは、PVOH樹脂の特長である水溶性・生分解性を有しながら、ガスバリア性や溶融加工性にも優れる素材となる。食品包装材のガスバリア層に使用することで食品の風味や品質を長持ちさせ、食品廃棄物の削減に貢献することから、欧州を中心に採用が拡大している。
 さらに同社グループの生分解性樹脂「BioPBS」および接着樹脂との組み合わせにより「オール生分解性のバリア包装材」の設計も可能となる。
 同社グループは現在、これらのPVOH樹脂特殊銘柄を熊本工場で生産しているが、需要拡大を受けた安定供給体制の構築や製造設備の老朽化を背景に、岡山事業所にプラントを新設し、現行の約2倍となる生産能力に増強する。
 同社グループはこれからもPVOH樹脂特殊銘柄の展開を通じて、食品やサステナビリティといった注力市場における機能商品の事業拡大を進めていく。

ゴーセネックスとニチゴーGポリマーの用途例

ゴーセネックスとニチゴーGポリマーの用途例

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