年頭所感 クラレ 川原仁社長

2023年01月10日

ゴムタイムス社

 昨年は、地域ごとに状況の違いはあるものの、新型コロナウイルス感染症への対処が進み、日常生活・経済活動の正常化に向けて大きく前進しました。一方で、中国のゼロコロナ政策による経済活動への影響は継続しており、ロシアのウクライナ侵攻と戦争の長期化で原油や天然ガスなど多くの資源価格の上昇、サプライチェーンの混乱による物価の高騰が続いています。さらに年後半には欧米の政策金利上昇によって消費行動が抑制され、主要経済圏での需要減退が起こるなど、経済活動に減速感が見られました。今年に入っても、地政学的諸問題が改善・解決の方向に向かうかどうかは不透明であり、世界的な景気減速への懸念により、我々を取り巻く事業環境もしばらくは厳しい状態が続くと想定されます。
 引き続き様々な課題に対しての対応が求められる環境下ではありますが、皆さんとともに、解決方法を見出し、かつ新しいことにも果敢に挑戦し、力を合わせて難局を乗り越えたいと思います。

◆新しい事業機会と価値の創出につなげる挑戦を
 さて、本年度は、2026年に迎える当社創立100周年に向けての中期経営計画「PASSION 2026」の2年目になります。計画策定時に将来に向けて構想した戦略や施策については、機会あるごとに見直し、その内容を深めて充実を図るとともに、それらを着実に遂行して成果を獲得しなければなりません。

 全社共通の組織横断的課題への対応については、新事業創出を図るイノベーションネットワーキングセンターの活動拡大、サステナビリティの重要課題に対応するためのサステナビリティ推進本部の諸活動のさらなる充実、経営の革新を加速するための DX・IT 関連テーマの推進、などに力を入れます。さらに、クラレグループの企業活動の基盤となるグローバル人事戦略においては、コーポレート組織の改編と人材配置によって海外各拠点との連携を強化し、諸課題への対応を図ります。

 各事業部、本部、グループ会社においては、コロナ禍で閉じ気味となっている思考と行動からの転換を図り、外の世界、市場の動向、顧客のニーズなどに関連する情報の更新と分析を積極的に行い、当社の独創性の高い技術と外部の力を結びつけることで、新しい事業機会と価値の創出につなげる挑戦が求められます。

 本年度は特に、イソプレン関連事業のタイ新拠点、環境ソリューション事業の米国活性炭製造新ラインなど複数の大型プロジェクトで稼働開始を予定しています。万全の安全対策を施した上で、円滑な立ち上げと早期の収益貢献を目指して尽力をお願いします。
 大型プロジェクトのみならず、クラレグループ内には「PASSION 2026」で企図した多くの案件が進行中です。厳しい事業環境の下ではありますが、投下資本効率を良く吟味、検討し、有望な案件にはリソースを十分に投入して着実に収益効果を発現させなければなりません。

◆一人ひとりが高い倫理観を持ち、安心して、誇りを持って働ける会社となるように
 さて、これらの推進に際しては、世界中のあらゆるクラレグループの生産拠点、研究開発拠点、事務所において「安全で、安心して働ける会社」であるということが基本です。
 新年度を迎えるにあたり、改めて『安全はすべての礎』を自分自身の事として捉えて考え、安全に対する感性を研ぎ澄まし、安全で事故が起こらない職場を目指してそれらを行動に反映していただきたいと考えます。
 そして、様々な個性や多様性を持った人々が、ハラスメントなどの無い職場で、安心して、誇りをもって働ける会社でありたいと考えます。クラレグループの一人ひとりが社会人・企業人としての高い倫理観と、コンプライアンスの徹底に対する強い責任意識を持ち、行動することで、自分自身も成長し、会社も成長するような好循環が生まれることを期待します。

◆失敗を恐れずに挑戦する前向きな姿勢と意志をもって行動を
 私は、クラレグループが活力のある元気な企業体でありたいと想っています。そのためには、大きな環境の変化をも機会としてとらえ、我々自身が変化をしながら進化をする、向上心、行動力、逞しさが必要です。失敗を恐れずに挑戦する前向きな姿勢と意志をもって、様々な場面で変革に繋がるアイデアを生み出して実行し、成功に繋げていくことを願います。皆さんにはクラレグループが持続的に成長するスペシャリティ化学企業であり続けるためにも、是非、このことを心掛けていただきたいと思います。

◆タグラインを胸に刻み、自らの可能性を信じて、挑戦し続ける
 クラレグループは昨年、我々の意識と行動を表すメッセージとして新たにタグラインを設定しました。“Possible starts here”です。「here」には、クラレグループだけでなく、それぞれの“職場”や、“私たち一人ひとり”のことも含まれています。Possible starts here を胸に、皆さん一人ひとりが自らの可能性を信じて、それぞれが挑戦し続けて欲しいと思います。
 「社会から得た利益は社会に還元する」という創業者の哲学と、「世のため人のため、他人のやれないことをやる」という企業理念は、クラレにとってかけがえのない無形の財産ですが、これらは我々一人ひとりが肝に銘じ、企業活動を通じて行動として示すことで初めて具現化するものであり、次の世代へと受け継がれていくものです。世界中で活躍する皆さんの自発的、積極的な行動により、クラレグループがひとつになって未来への道を開拓するよう、充実した一年としましょう。

 最後になりますが、世界中のクラレグループの皆さんとご家族の方々にとって、本年が健康で幸多い年となりますようお祈りします。

川原仁社長

川原仁社長

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