「三井化学・京大ラボ」を設置 23年4月活動開始予定

2022年11月28日

ゴムタイムス社

 三井化学は11月22日、京都大学と同社が、データ科学やフロー合成等の技術を統合させた自律的な自動合成実験システムを構築し、それを活用して高機能材料の開発を共同で行う、産学共同研究講座を設置することに合意したと発表した。両者は、この合意に基づき、2023年4月に京都大学工学研究科内で、「三井化学・京大デジタルケミカルラボ」(「三井化学・京大ラボ」)の活動を開始する予定。

 京都大学と同社は、最先端の実用化技術の創出を目指し、社会課題解決への取り組みを推進していくとしている。

 「三井化学・京大ラボ」の強みとして、①京都大学が、工学研究科、薬学研究科、医学研究科において培ってきた自動実験、有機反応化学、フロー合成、データ科学等の保有技術、②三井化学が有する有機合成技術及び高機能化学品の製品化技術と、それらの技術に資する実験設備、計算システムなどのリソース、③両者の有する技術・人的物的資源を融合することで生まれるシナジー、の3点が挙げられる。

 京都大学は、1897年の創立以来、「自由の学風」を継承し、発展させつつ、多元的な課題の解決に挑戦し、開かれた大学として、地球社会の調和ある共存に貢献してきた。イノベーションの創出と社会貢献を積極的に進めるとともに、海外の研究大学とのアライアンスや国内外企業との協創を強化している。

 同社は2021年に長期経営計画「VISION2030」を策定し、その中で主要な経営課題の一つとしてDX(デジタルトランスフォーメーション)の全社展開を挙げている。DXによって製品や事業の開発力を強化することによってCX(コーポレートトランスフォーメーション)を実現し、社会課題の解決に貢献することを目指している。同社は今後、製品提供を通して環境と調和した循環型社会を実現すべく取り組みを進めていくとしている。

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