ゴム企業が独自製品をPR 介護・福祉機器の国際展示会で

2022年10月10日

ゴムタイムス社

 アジア最大規模の介護・福祉機器の国際展示会「第49回国際福祉機器展(H・C・R・2022)」が、東京・有明の東京ビッグサイトで10月5~7日に開催され、13ヵ国・1地域から355社の企業・団体が出展した。ゴム関連企業もブースを設け、独自製品や新製品の紹介を行った。

◆ムーンスター
 昨年8月に発売したハイシニア女性向けお出かけシューズ「ウェルル」、「イヴ」やリハビリ用シューズ「Ⅴステップ」、「パステル」などを紹介した。
 ウェルルは「ローリングアシスト機能」を搭載しており、ハイシニア女性が軽い力で楽に歩くことができる。また、4Eのワイド設計の足囲で履き口が大きく開くことから簡単に着脱が可能となっている。また、シンプルながらもラメや花柄、持ち手の金具といったさり気ないおしゃれが取り入れられたデザインで、1足で近所への買い物から冠婚葬祭までの様々なコーディネートに合わせられることも特徴だ。同製品は、スリッポンタイプ、ファスナータイプ、面ファスナータイプの3種類のラインナップを取り揃えている。

ムーンスター

◆豊田合成
 トヨタ自動車と共同開発を進める「アクセルレバー付きハンドル」について、トヨタ自動車のブースで紹介した。同ハンドルは、トヨタ自動車の福祉車両コンセプト「C+pod plus Concept」に搭載されているが、アクセルレバーがグリップ部の内側に搭載されていることから、ハンドルの操作だけで車の進行が可能になる。ブースでは、車いす利用者などの下肢が不自由なドライバーでも安心して運転できる点などを来場者に訴求した。また、握りやすくアクセルレバーを押しても疲れにくいグリップ構造や、従来の円形ハンドルと比べて車室内スペースが拡張されていることから運転しやすいデザインとなっている。
 C+pod plus Conceptは障害者だけではなくすべての人にとって使いやすい車両の開発を目的としており、今後は展示会で上がった意見を取り入れることでさらなる改良を重ねたユニバーサルデザインのハンドルの開発に取り組んでいくとしている。

豊田合成

◆NOK
 今回が初出展となる同社は、今年の7月に生体信号用ゴム電極のSottoシリーズに追加された「Sotto ファブリック+」などを出展した。
 Sotto ファブリック+は、ウレタン系導電性ゴムと導電性繊維をシート状に一体化した導電性ゴム引布。0・5mmの厚さのシート状の形状が体の動きに追従して容易な取り付けを可能とする。また、引き布であることから衣類への裁縫や接着での取り付けも可能。柔軟剤や漂白剤での洗濯で繰り返し使用できることからランニングコストにも優れている。同製品は信号検出用途以外にも要介護者やスポーツ選手のリハビリテーションの際に使用される物理治療機器、EMS機器、生体情報を計測する機能「スマートウェア」での使用を可能としている。

NOK

 

◆弘進ゴム
 車いす用レイン「はおるっちゃ」のポンチョタイプ製品「ポンチョKSー001」や、浴室内での滑り止めマット「オーバルリンク」、介助入浴が一人でもできる簡易浴槽「コーシン快護おふろ」、床ずれ防止・車椅子用クッション「ニコニコクッション」を展示した。
 はおるっちゃは突然の雨でも素早く簡単に車いすの上から着脱できるポンチョタイプのレインコート。透湿防水生地を使用していることから蒸れにくく防水性に優れていることも特徴となっている。同製品は男女兼用のフリーサイズとなっており、ピンク・ブルー・グリーンの3種類のカラーラインナップを取り揃えている。

弘進ゴム

 ◆ダンロップホームプロダクツ
 段差解消スロープ「ダンスロープミニ」や車椅子用スロープ「ダンスロープエアー」などを紹介した。
 ダンスロープミニは、畳やふすまなどの小さな段差によるつまづきを防止するPVC製のスロープ。1・0cmから6・0cmまでの11段階の高さに対応した商品ラインナップと高い耐久性により屋内から屋外まで幅広い範囲での用途に適している。また、乗り込み口にフロントラウンド形状を採用していることから、歩行器や車いすでの乗り上げもスムーズに行うことができる。抗菌加工で汚れがつきにくく掃除しやすい構造となっていることから簡単にメンテナンスを行うことも可能だ。

ダンロップホームプロダクツ

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