横浜ゴム、アイスガード7 旭岳への走行で性能を体感

2022年09月27日

ゴムタイムス社

 横浜ゴムは2月8日~9日に北海道旭川市のテストコース「北海道タイヤテストセンター」(TTCH)でスタッドレスタイヤの性能を体感する試乗会を開催した。
 試乗会では、昨年発売した「アイスガード7」と「アイスガード6」などとの性能比較を雪上と氷上で行い、「アイスガード7」に搭載した最新技術が、相反する氷上性能と雪上性能の向上に大きく貢献していることを体感した。
 性能評価は、TTCHの総合圧雪路で雪上スラローム走行を行い、舵角量やグリップの立ち上がり方などを比較、屋内氷盤試験路で氷上での加速感や制動距離を比較した。
 まず、屋内氷盤試験路で「アイスガード7」と「アイスガード6」、並びに溝がない「スリックタイヤ」の3つのタイヤで、極低温のマイナス10度と低温のマイナス2度の二つの氷盤路を使用して性能比較を行った。
 評価ポイントは加速感、制動感、制動距離などで、制動距離は時速30キロ前後でブレーキを踏み、どの程度の距離で停止するか比較した。
 まず、新旧のアイスガードとスリックタイヤをマイナス10度の氷盤路で比較した所、アイスガード7はブレーキ開始後12mで停止、アイスガード6は14m、スリックタイヤは28mで停止した。
 より滑りやすいマイナス2度の氷盤路でも、同様の評価でアイスガード7が19m、アイスガード6が23m、スリックタイヤが32mで停止した。
 マイナス10度の氷盤路での「アイスガード7」と「アイスガード6」の差は2mで、マイナス2度の氷が溶け、水膜がある状態での氷盤路では、その差は4mに拡大した。
 アイスガード7は、アイスガード6と比較し、接地面積、ブロック剛性、溝エッジ量を増加させており、氷上性能が向上している事が確認することができた。
 一方、スリックタイヤは構造上接地面積が大きく増加しているが、溝もサイプも、エッジもないため、結果として氷上性能が悪化する結果となった。
 続いて、氷盤路のスラロームコースを20キロのスピードで周回してみたが、「アイスガード6」ではコーナーを曲がると横滑りが始まり、ハンドルの制御が効かない状態になるのに対し、「アイスガード7」ではグリップが効き、舵角も小さく、ハンドル操作性も高かった。

 雪上スラローム比較では、総合圧雪試験路を40キロから50キロの速度でスラローム走行し、発進トラクション、加速感、旋回グリップなどを比較した。
 「アイスガード6」はスピードが35キロを超えると制御が難しくなるのに対し、「アイスガード7」は、40キロまで旋回加速が可能であり、グリップ力もあり、かつ大きな舵角の効きも良く安心感があった。
 氷盤試験路と総合圧雪試験路での比較走行により、「アイスガード7」は氷上性能と雪上性能が大きく向上していることが実感することができた。
 その後、奴田原選手が運転する車両に同乗し、ラリー走行を堪能できる機会も設けられるなど、盛り沢山の試乗会となった。
 翌日は、旭川市内から旭岳の麓までの公道を「アイスガード7」を装着して走行した。今回の走行では雪が溶け水が混じった路面や氷盤路などの市街地から、雪が降り積もった山道まで多彩な環境での走行を体験することができた。
 走行する前は、日常的に雪上路を走行する機会はなく、さらにかなりの勾配路を往復する事に不安があった。特に下り路面は、雪上であり速度も出る事から安全に運転できるのか不安が強かった。
 しかし、結果的には全く危ない場面はなく、山道の下りでも安心して走行することができた。途中、雪道の下りである事を忘れてしまう程、安全に走行することができた。
 日常的に雪上の経験がないドライバーでも、安心して運転できるタイヤであることを再認識する事ができた。

アイスガード7

アイスガード7のパターン

氷上性能の差が明確となった

ハンドル操作性も向上していた

アイスガード7はグリップ力が高かった

雪上も安全に走行できた

 

関連キーワード: ·

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー