高機能プラスチック12%増収 住友ベークライトの4~6月期

2022年08月10日

ゴムタイムス社

 住友ベークライトの23年3月期第1四半期決算は、売上収益が717億3300万円で前期比14・5%増、事業利益は68億5500万円で同2・8%増、営業利益は67億3200万円で同2・3%増、四半期純利益は47億110万円で同10・2%減となった。

 セグメント別では、半導体関連材料の売上収益が212億4800万円で同21・6%増、事業利益は45億390万円で同22・5%増。半導体封止用エポキシ樹脂成形材料は、パソコンや中国製スマートフォンなど民生用の需要が減少する一方で、車載向けの復調や活発なデータセンター投資などにより半導体の需要は増加が継続したこと、原料価格上昇に伴う価格改定を実施したこと、円安が進行したことにより売上収益は増加した。感光性ウェハーコート用液状樹脂は、主要用途であるメモリー需要が好調で売上収益は増加した。半導体用ダイボンディングペーストは、顧客での在庫調整により売上収益は前年同期並みで推移した。半導体パッケージ基板材料「LαZ」シリーズは、中国市場のスマートフォン需要が減少したことで売上収益は減少した。

 高機能プラスチックの売上収益が258億8900万円で同12・0%増、事業利益は11億2700万円で同44・0%減。工業用フェノール樹脂およびフェノール樹脂成形材料は、世界的な半導体不足やサプライチェーンの混乱により自動車生産台数が減少したため、自動車用途向けは販売数量が減少した。また中国でのロックダウンなどにより電子部品向けも販売数量が減少した。一方で原料価格上昇に伴う価格改定を実施したこと、円安が進行したことにより売上収益は増加した。銅張積層板は、原料価格上昇に伴う価格改定を実施したこと、円安が進行したことにより売上収益は増加した。航空機内装部品は、主要顧客である米国航空機メーカーの販売不振継続の影響を受けたが、円安が進行したことにより売上収益は増加した。

 クオリティオブライフ関連製品の売上収益が244億2400万円で同11・4%増、事業利益が20億4200万円で同11・7%増。医療機器製品は、北米ではコロナ禍からの回復や新規顧客の開拓により出荷が好調に推移したこと、台湾では高付加価値品である白血球除去フィルター付き血液バッグの供給を開始したこと、国内では手術件数の回復や新製品の胆管ステントの販売が伸長したことにより売上収益は増加した。バイオ関連製品は、3次元培養器など創薬や再生医療研究で使われる高機能細胞培養器材の販売が国内外で増加したこと、急性膵炎や骨粗鬆症など非感染症領域の診断薬の販売が好調であったことから売上収益は増加した。

 23年3月期の連結業績予想は、売上収益が2900億円で前期比10・2%増、事業利益は285億円で同7・6%増、当期純利益は210億円で同14・8%増を見込んでいる。

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