クラレ、生産設備を増設 光学用ポバールフィルムで

2022年05月13日

ゴムタイムス社

 クラレは5月9日、液晶ディスプレイ(LCD)の基幹部材である偏光フィルムのベースとなる光学用ポバールフィルムについて、倉敷事業所(岡山県倉敷市)において生産設備の増設を決定したと発表した。

 増設する設備の生産能力は年産3200万㎡で2024年央の稼働を予定。生産能力は現状の年産2億6400万㎡から同2億9600万㎡に拡大する見込みだ。

 設備増設の背景には①LCD市場はテレビサイズの大型化の進展により、LCD パネルの面積は今後もさらなる拡大が見込まれていること。②このような市場環境において、LCDの基幹部材である偏光フィルムのベースとして、光学用ポバールフィルムの需要は拡大基調にあることから、同社は市場への安定供給を維持するために、生産設備の増設が必要と判断したことの2点を挙げる。なお今回増設する新系列は、大型偏光フィルムの生産効率向上に貢献する広幅タイプのフィルムの生産が可能な設備になる。同社は、今後も光学用ポバールフィルムのリーディングカンパニーとして、安定供給体制を確保するとともに、顧客の多様化するニーズにお応えできるよう、新製品の開発や品質の向上に一層注力していく。

 同社は、創立100周年を迎える2026年までの5ヵ年計画として、中期経営計画「PASSION 2026」をスタートさせた。長期ビジョン「Kuraray Vision 2026」(独自の技術に新たな要素を取り込み、顧客、社会、地球に貢献し、持続的に成長するスペシャリティ化学企業)の実現に向け、成長に向けた投資を積極的に行っていくとしている。

LCDおよび偏光フィルムの構造図(略図)

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