横河電機、AI搭載ツール発売 スマートダックプラス向けに

2022年04月26日

ゴムタイムス社

 横河電機は4月19日、ペーパレスレコーダ・データロガー「SMARTDAC+TM(スマートダックプラス)」の「GX シリーズ」「GP シリーズ」「GM シリーズ」上に設備・品質予兆検知システムを構築するため、AIを搭載したソフトウェア「設備・品質予兆検知ツール」を発売した。同ソフトウェアにより、AIの専門知識やコンサルティングを必要とすることなく、製造現場で設備や品質の異常の予兆を検知するシステムを構築することができる。工場などの設備故障や品質劣化を早期に発見することで、生産効率向上に貢献する。価格は設備・品質予兆検知ツールクラウド版が年間使用料2万円、ダウンロードライセンス5万円(日本、EU、米国、英国、カナダで発売予定)、オフライン版は19万8千円からとなる。
 製品の特長は、①専門知識がなくても、既存の記録データを用いて、AIによる予兆検知モデルを作成可能、②予兆検知モデルを用いて簡単に設備・品質予兆検知システムを構築可能、③クラウド版およびオフライン版の両方を発売の3点。  ①は、顧客が保有するデータを本ソフトウェアで読み込み、各データを正常データ、異常データのいずれかに選択するだけで、予兆検知モデルを作成できる。機械学習やアルゴリズムなど、AIの専門知識やコンサルティングは不要。当社製品のみならず、他社製品で記録したデータも使用できる。
 ②同ソフトウェアで作成した予兆検知モデルを現場にあるSMARTDAC+へ読み込むことで、設備や品質の異常の予兆を検知するシステムを構築することができる。設備や品質の健全性を表す「ヘルススコア」の推移により設備の劣化度合いを確認することができる。「ヘルススコア」を用いてメンテナンス時期を運転員にアラームやメールで知らせる。
 ③設備・品質予兆検知ツールは、クラウド版およびオフライン版の二種類のパッケージを発売。顧客はクラウド版とオフライン版のいずれかを使用し、設備・品質予兆検知システムを構築できる。クラウド版はPCにソフトウェアをインストールする必要がなく、より手軽に使用できる。
 使用例は、タイヤ製造(加硫工程)の温度・圧力の管理タイヤのゴムを加工する際に、熱と圧力を加える工程で使用される加硫機において、パッキン劣化などによる圧力リークが課題となっている。設備・品質予兆検知ツールにより、加硫機の圧力値からパッキン劣化を数値化したヘルススコアの推移から、圧力リークの兆候を事前に検出することができる点などを挙げる。

 

設備・品質予兆検知ツールの使用イメージ

予兆検知モデルのシミュレーション画面

ヘルススコアの推移による異常予兆の検知

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