住友ベークライトが開発 バイオマス原料の包装フィルム

2022年03月18日

ゴムタイムス社

 住友ベークライトは、バイオマス原料を使用した多層フィルム・シート「スミライト」CELを新たにラインナップに加えた。同社では、40年以上にわたり食品用包装フィルム・シート事業を展開している。このほど開発したフィルムは、バイオマス原料を積層することにより包装材としての機能を損なわず、フィルム1kgあたりに発生するCO2を0・5~1・4kg削減することに成功した。また、バイオマスマークの取得も進め、2024年度に5億円の売上を目指す。
 開発したフィルムの特長は、①熱成形性に優れ、深絞り包装が可能、②イージーピール機能の付与が可能、③酸素バリア機能の付与が可能、④ボイル殺菌、冷凍流通可能となっている。開発したフィルムは、食品用包装材としての安全性や利便性等の機能を損なわず、CO2排出量の削減にも貢献する。この新しい特長によりSDGsが掲げる環境配慮技術の拡大や天然資源の持続可能な効率利用という目標の達成に貢献できる商品となっている。想定する主な用途としては、冷凍・チルド食品の包装用フィルムが考えられ、「CO2排出量の削減や地球温暖化対策」に貢献する。
 近年、プラスチック全般に環境負荷低減が求められており、環境省の「プラスチック資源循環戦略」においても、戦略の1つに「2030年までにバイオマスプラスチックを約200万トン導入すること」が掲げられている。また、包装用フィルムは異種原料の積層により高機能を発現する一方、各原料の分離が困難でリサイクルされずに焼却されるプラスチックである。このため、焼却したときに発生する二酸化炭素が再び植物に取り込まれることで、大気中の二酸化炭素の増減に影響しないカーボンニュートラルであるバイオマス原料を最大限使用し、包装材としての安全性や利便性等の機能を確保することが求められている。

「スミライト」CEL

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