マテリアルは増収減益 帝人の4~12月期 

2022年02月08日

ゴムタイムス社

 帝人の21年3月期第3四半期連結決算は、売上高が6870億500万円で前年同期比12・7%増、営業利益は381億7000万円で同15・6%減、経常利益は413億2100万円で同3・6%減、四半期純利益は258億3800万円で同 3・7%減となった。
 セグメント別では、マテリアルの売上高は2845億円で同38・1%増、営業損失は48億円(前年同期は3億円の損失)となった。アラミド繊維は自動車用途を中心に需要が回復し販売量が増加した。ただ、大型定修とその期間延長及び原料工場停電による生産減や天然ガス価格上昇がコストに影響した。
 樹脂はアセアンでのコロナ影響や半導体不足および中国での電力制限による顧客稼働減影響を受けたが、経済回復に伴い販売量は前年並みだっった。複合成形材料は米国自動車市場でSUV・ピックアップトラックにも半導体不足影響が波及し、OEMの生産停止影響を受けた。
 ヘルスケアセグメントは、売上高が1396億円で同24・8%増、営業利益は374億円で同45・0%増となった。医薬品では2型糖尿病治療剤4の販売が順調に推移した。
 繊維・製品セグメントの売上高は2069億円で同12・7%減、営業利益は45億円で同72・4%減となった。産業資材分野では、自動車関連部材、水処理フィルター向けポリエステル短繊維は好調だったが、期間後半で半導体不足の影響を受けた。衣料繊維分野については、欧米・中国向け素材・製品販売や重衣料の国内販売は回復傾向も、海外工場のロックダウンや原燃料・物流費高騰により、全般的に苦戦した。
 通期予想は直前に公表されている業績予想から修正した。売上高は9300億円(前回発表値9000億円)で前期比11・2%増、営業利益は500億円(同600億円)で同9・0%減、当期純利益は320億円(同350億円)で黒字回復を見込んでいる。
 主な理由としては、ヘルスケアは堅調に推移する見通しもマテリアルにで想定以上の半導体不足や原燃料価格高騰影響、アラミド事業の工場停電による生産停止などの影響を受けた収益悪化を踏まえ、通期業績見通しを下方修正した。

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