伝動ベルト特集 バンドー化学 Ceptorシリーズに注力 デジタルマーケティングを推進

2022年02月15日

ゴムタイムス社

 バンドー化学(神戸市中央区、吉井満隆社長)の22年3月期上半期業績(4~9月期)は国内・海外とも民間設備投資の回復を受け、当初予想を上回って進捗した。伝動ベルト製品の現況は、良好な天候や農作物価格の高値安定などを背景に、中国・アジア地域で農業機械用の需要が伸長している。一方、射出成形機やロボット関連など業界のすそ野が広い一般産業用は、半導体部品の停滞など先行きは不透明なものの、「社会・経済活動を止めないためにも要求納期に応え、安定供給を続けていく」(同社)。
 一般産業用の伝動ベルトでは、「Ceptor―X(セプターテン)」をはじめとする高負荷・高伝動の歯付ベルト「Ceptor」シリーズの拡販に注力している。同シリーズは、狭ピッチを適用する小型機械から大型機械の同期伝動に対応できるため、幅広い用途で使うことができる。
 また、「Ceptor」シリーズはラインアップ強化を図っており、21年9月には耐摩耗性と伝動容量を一段と向上させた新製品「Ceptor―X Plus(セプターテンプラス)」の販売を開始した。新製品「Ceptor―X Plus」はベルトの素材に高硬度・高弾性の構成材料を用いることで、「Ceptor―X」比で歯欠け耐久性が約25%アップ。伝動容量も約10%向上した。伝動容量を向上したことで、「Ceptor―X」に対して、狭いベルト幅で使用できる上、ベルトの幅狭化によって、駆動時の騒音が低減されるメリットもあるという。さらに、標準のSTSベルトと同じ歯形のため、同一形状の標準プーリで使える点も特長だ。
 伝動ベルト事業の戦略に関しては、今後も顧客ニーズに応える新製品・サービスを提供していく方針。製品では市場の要求品質に応える高付加価値品の開発を推進し「ベルトはもちろんプーリに対するお客様の品質ニーズをつかみ、ベルトとプーリのセットで拡販につなげる」(同社)。
 また、Withコロナ時代における新たなコミュニケーションとしてデジタルマーケティング施策の推進にも注力。WEBを活用した情報発信をさらに強化し、ウェビナーの開催や定期的なコンテンツの追加をしていくことで、幅広い需要を取り込んでいく方針だ。リアルとバーチャルを組み合わせて、お客様の困りごとを解決する提案力を強化している。今後は、さらなるコンテンツの強化を行い、マーケティングと営業が連携・共有することでお客様にタイムリーな提案することをさらに強化する考えだ。
 なお、同社は伝動ベルトやゴム製品およびプーリ・金属製品について、22年3月1日受注分から価格改定を実施する。伝動ベルトやプーリの主原材料である天然ゴムや合成ゴム、鋼材関連の価格は上昇している。これら原材料に加え、物流費も高騰しており、企業努力だけでこれらコスト上昇を吸収するには厳しい状況にあると判断した。

Ceptor-X Plus_2

 

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