増収も経費増加で減益に 自動車部品5社の4~12月期

2022年02月23日

ゴムタイムス社

 自動車用ゴム部品メーカー5社の22年3月期第3四半期連結決算が出揃った。半導体不足による影響はあるものの、コロナによる減産から自動車生産が回復し、売上高対前年同期増減率を公表していないフコクを除いた4社は前年同期を上回った。利益面は増販効果がある一方、為替影響や原材料価格の高騰や経費増など背景に、豊田合成、住友理工、西川ゴム工業は減益となった。
 ◆豊田合成
 売上収益が6004億7800万円で前年同期比15・0%増、営業利益は189億9200万円で同23・9%減、四半期利益は135億700万円で同19・2%減となった。半導体不足等による顧客の減産はあったが、全体では新型コロナウイルスによる減産からの生産回復等により増収となった。利益については、前期のコロナからの回復による増販効果があったものの、前期における政府補助金の反動等による労務費の増加や市況の悪化、経費の増加等により減益となった。
 ◆NOK
 シール事業の売上高は2490億9700万円で同19・9%増、営業利益は262億5800万円で同128・6%増となった。自動車向けは、半導体等の部品供給不足に加え、東南アジア地域におけるコロナ感染再拡大の影響はあるものの、需要の回復幅が大きく、販売は増加。一般産業機械向けにも、建設機械をはじめ、工作機械、ロボット等の市場が好調を維持し、販売は増加した。
 ◆住友理工
 自動車用品の売上高は2772億円で同13・1%増、事業利益は24億円の損失(前年同期は6億円の損失)となった。地域別では日本、米州・アジア・欧州は増収となったが、日本・米州・欧州は減益、アジアは増益となった。売上高はコロナ感染症拡大の長期化や半導体不足等による自動車の減産があったものの、多くの地域で前年同期と比べて主要顧客の生産台数が増加したことや円安の進行による為替換算の影響により増収となった。一方、事業利益は売上が増加したが、鋼材などの原材料価格や物流費高騰などの影響を受けた赤字となった。
 ◆西川ゴム工業
 売上高は608億7100万円で前年同期比7・8%増、営業利益は18億100万円で同12・0%減、経常利益は26億8500万円で同4・2%増、四半期純利益は13億5000万円で同476・1%増となった。
 地域別では、日本の売上高は320億1600万円で同0・5%増、営業利益は4億1600万円で同26・2%増。北米の売上高は169億2300万円で同19・5%増、営業損失は9億6300万円(前年同期は営業損失4億9300万円)などとなった。
 ◆フコク
 売上高が541億4900万円(前年同期は449億500万円の売上)、営業利益が18億800万円(同3億400万円の損失)となった。主要顧客先である自動車メーカーや部品メーカーの半導体不足などに起因する生産調整の影響に加え、原材料価格の上昇と輸送費の高騰により製造原価が押し上げられたものの売上増加が寄与し、増益となった。セグメント別では、防振事業の売上高が209億3700万円で同24・5%増、セグメント利益は、8億8900万円で同74・8%増。ホース事業の売上高が33億3100万円で同34・9%増、セグメント利益は1億2800万円となった。

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