低温焼結性ジルコニアを開発 東ソーのZgaiaシリーズ

2021年12月08日

ゴムタイムス社

 東ソーは12月6日、ジルコニア粒子構造の再設計により、従来の焼成温度(1500℃)よりも低温(1250℃)で焼結できるジルコニア「Zgaia」シリーズを開発したと発表した。焼成温度を低下させることでCO2排出量の低減にも貢献する。

 Zgaiaシリーズでは、従来のジルコニアでは不可能であった低イットリア(Y2O3)添加グレード「Zgaia 1・5―HT」の開発に世界で初めて成功し、高強度と高靭性の両立を実現した。また、Zgaiaシリーズとして、過去に開発していた高耐久性が特長である「Zgaia 3Y―LD」グレードも顧客への紹介を進めていく。

 Zgaiaシリーズの特長として、①粒子構造の再設計による低温焼結性の付与、②東ソー独自製法による均一なY2O3分布、の2点が挙げられる。

 各グレードの特長では、「Zgaia 1・5―HT」は焼結不可能であった低イットリア添加量で高靭性ジルコニアを実現、「Zgaia 3Y―LD」では同開発焼結体は劣化加速試験(熱水140℃)から4年超経ても殆ど劣化せず驚異的な耐久性を確認、という点が挙げられる。

 同社はサンプルワークを本格的に開始し、量産化を検討していく。同時に、「Zgaia 1・5Y―HT」の高靭化のメカニズムに関しては、東京大学に開設している「次世代ジルコニア創出社会連携講座」にて解明中で、近日中に共同発表を予定している。

 同社は、世界で初めてジルコニア量産化に成功して以降、ファインセラミックス分野での世界トップメーカーを維持する。今後も革新的な技術開発に力を入れていく。

 同社は、12月8日から10日に幕張メッセで開催される「高機能セラミックス展」に出展している。

 

140℃×1500日経過後

140℃×1500日経過後

 

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