難燃PCシート採用進む 住友ベークライト 電動車用で 

2021年12月01日

ゴムタイムス社

 住友ベークライトの絶縁用難燃ポリカーボネートシート(サンロイドエコシートポリカVHFシリーズ)が電気自動車の電源関連システム、高電圧製品で採用が拡大している。サンロイドエコシートポリカVHFシリーズは、同社独自の難燃設計により高い難燃性と合わせ優れた耐トラッキング性を有した難燃ポリカーボネートシート。地球環境に配慮し、加工性に優れ、耐熱性の高い絶縁用シートとしては唯一UL規格の耐トラッキング性の最高ランクであるCTI:PLC0(600Ⅴ以上)を取得。さらにハロゲン系の難燃剤を使用せず、UL94のV―0に認定された製品だ。
 耐トラッキング性能の優れた材料を製品内部の絶縁対策部品として用いることで、トラッキングの起こりにくさによる安全性の向上に加え、絶縁部の沿面距離を短縮でき設計の自由度が上がることでお客様の製品の小型化、薄型化に貢献できると考えている。
 サンロイドエコシートポリカは発売以来、テレビやOA機器、ACアダプター、ノートPC、ゲーム機などの電子機器内部の短絡懸念個所に絶縁対策部品として採用されてきた。厚さは0・05mm~0・81mmでラインアップしており、巻物およびカット品の形態で販売している。
 VHFシリーズは厚さ0・41mm~0・83mmに対応しており、UL94 V―0の認定を受け、耐トラッキング性の最高ランクの取得に加え、昨年にREACH規則の高懸念物質に登録されたPFBSを含有せず、より環境に配慮した製品となっている。またより薄い厚さ(0・05mm~0・25mm)にも対応し、UL94 VTM―0―0~VTM―2の認定を受け、PHFグレードもラインアップしている。
 トラッキングとは、絶縁物表面に電気的な負荷により形成される炭化物が導電路(トラック)となることを指す。 トラッキングによる身近な問題は、電源プラグの短絡による発火・電気火災。電源プラグの栓刃(金属部)の間にホコリがたまり、ここに湿気によって微弱電流が流れることでトラッキングが発生し、これが進むことで短絡が起こり発火・電気火災へと至る。 耐トラッキング性とは、トラッキングの起こりにくさを表し、試験ではサンプル表面に置いた白金電極間に電圧を印加したまま、電極間に電解液を滴下し、所定の滴下数でもトラッキングが起こらない印加電圧の最大値(最大600Ⅴ)で表される。

サンロイドエコシートポリカ

 

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