帝人、高機能素材を訴求 COP26の展示品に採用

2021年11月05日

ゴムタイムス社

 帝人は11月2日、英国の「Envision Racing Formula E Team」(ER)が、10月31日より英国・グラスゴーで開催されている「気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)」にブース出展しており、展示された環境配慮型の最先端電気自動車のレーシングカーやレーシングスーツに同社の高機能素材が使用されていると発表した。同社はこれを通じて持続可能な社会の実現に向けた軽量化、エネルギー効率化、および安全性と快適性の向上に寄与するソリューションを訴求していく。

 同社は、自動車の環境負荷軽減に貢献する事業を展開するとともに、電気自動車によるフォーミュラーカーレースに参戦する英国のERを支援している。

 ERと英国の化学メーカーであるジョンソン・マッセイ社がコンセプトカーとして共同開発した世界初の2人乗り電気自動車のレーシングカーの車体に、同社の炭素繊維「テナックス」が使用されている。「テナックス」を用いることで、高強度化によるドライバーの安全性向上や、車体の軽量化によるエネルギー効率の向上が実現できる他、自由度の高い設計も可能になる。同車体は、197ヶ国からの代表団が一堂に会するCOP26の会場で、国連の認定を受けた場合にのみ展示することができる「ブルーゾーン」において紹介されている。

 また、来年のレースでERのレーサーが着用するレーシングスーツに、同社のアラミド繊維「コーネックス・ネオ」が使用されている。高い難燃性や耐熱性を有する「コーネックス・ネオ」は、レーシングスーツに必要な機能を高水準で満たす一方、特殊な紡糸法による製造プロセスにより化学物質排出やエネルギー消費を削減する。同レーシングスーツは、一般参加者向けの「グリーンゾーン」に展示されている。

 同社グループは、サーキュラーエコノミーの推進や、素材調達から生産、使用、廃棄に至るまで、製品のライフサイクル全体での環境負荷軽減、そのための新たな技術や仕組みの開発に最善を尽くし、「未来の社会を支える会社」になるという長期ビジョンに向けて積極的に取り組んでいくとしている。

 

ERのレーシングスーツ

ERのレーシングスーツ

2人乗り電気自動車のレーシングカー

2人乗り電気自動車のレーシングカー

 

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