東レ、あすか製薬と契約締結 癒着防止材の共同事業化で

2021年10月08日

ゴムタイムス社

 東レは10月5日、同社とあすか製薬が、同社とナノシータが共同で開発中の癒着防止材「TRM―270C(東レ開発コード)」について、2021年9月27日に、日本をテリトリーとした共同事業化契約を締結したと発表した。

 同契約に基づき、同社とあすか製薬は今後日本における製造販売承認取得を目指した同製品の開発を共同で進め、製造販売承認取得後は、あすか製薬が同社の製造する同製品を日本において独占的に販売する。

 同製品は産婦人科領域および消化器領域における外科手術(開腹手術および腹腔鏡下手術)の際に使用する癒着防止材であり、生分解性樹脂からなる癒着防止層と水溶性樹脂からなる支持層の積層構造を有している。性質の異なる樹脂から成る積層構造とすることにより、柔軟性と臓器への密着性という二つの特徴を併せ持つことから、特に腹腔鏡下手術で要求される良好な操作性と、優れた癒着防止効果を兼ね備えることが期待されている。

 同社は中期経営課題「プロジェクト AP―G 2022」において、ライフイノベーション分野での事業拡大を基本戦略の一つとしており、その一環として、同社のコア技術である高分子化学・ナノテクノロジーを応用した医療機器の開発・事業化に注力している。また、あすか製薬は、1920年の創立以来、内科・産婦人科・泌尿器科の3領域に重点を置くスペシャリティファーマとして、新薬を中心とした医薬品や医療関連製品の開発を進めることにより、アンメットメディカルニーズの解消に努めている。今回、これらの両社の事業方針が合致したことから、同契約の締結に至った。

 同社は、同社およびあすか製薬が、同製品の事業化を通して、産婦人科領域および消化器領域における外科手術患者の治療予後改善への貢献を目指していくとしている。

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