特集 機能性フィルム・シートの最近の技術動向 柔軟性と復元性を併せ持つ伸縮性フィルムの開発

2021年08月19日

ゴムタイムス社

*この記事はゴム・プラスチックの技術専門季刊誌「ポリマーTECH」に掲載されました。
*記事で使用している図・表はPDFで確認できます。

特集1 機能性フィルム・シートの最近の技術動向

柔軟性と復元性を併せ持つ伸縮性フィルムの開発

東レ㈱  フィルム研究所 三羽規文

1.はじめに

 近年、高速・大容量の情報通信を基盤とする「IoT社会」の実現に向けて、高性能化・多機能化に加えて、これまでにはなかった新しいデバイスが提案され、実用化されている。その中には、折り曲げや巻き取り、伸縮可能なディスプレイや、体の動きに追従するセンサー、さらにそれらを用いたウェアラブルデバイスなど、これまでになかった“柔軟さ”を特徴とするデバイスがある。本稿では、このような“柔軟なデバイス”における課題と、その解決策となりうる東レの伸縮性フィルムについて述べる。

2.柔軟なデバイスにおける課題と、東レ伸縮性フィルムについて

 柔軟なデバイスでは、表2.1に示すように、従来のデバイスでは考えられなかった課題がある。例えば、折り曲げや巻き取り可能なディスプレイでは、各部材単独の屈曲性以外に、ディスプレイモジュールの状態で繰り返

 

全文:約2617文字

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